BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.41 )
日時: 2010/09/13 22:12
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

風魔編 第4話

むせ返るような甘い花の香り。辺りを漂うは、紫色の煙。
小田原の朝は————


「あっついいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」



「……?!!」(←起こしに来た風魔)


*****

誰だ、こんなに布団をかけた奴は! 今は夏だぞ、夏だぞ! summerだろ?!
八月だぞ、八月! くそ暑いのに布団を2枚もかけさせるか? 有り得ないだろ。暑苦しい。

「どうした…?」
「あぁ? 暑苦しくて仕方ねぇ。布団が2枚も書かさせられてた」
「あぁ……(考え中)……俺だ」

貴様か。ぶっ殺す。
俺は苦無を構えて、風魔に戦闘態勢。暑い思いをしたんだぞ!
だが、風魔は構えない。何で?!

「どうしたよ、風魔。珍しいじゃない、構えないの?」
「そんなつもり、ない」
「……へぇ〜……。まぁ、良いや」

珍しい事もあるもんだ。
で、風魔が起こしに来たのも珍しい。

「どした? 主から出頭命令? 殺しなら任せて———…」
「そんな事、させない」
「ほうわぁ?!!」

風魔に担がれた俺は、そのままどこかに連れさらわれた。


大広間

「ろくに、朝餉食べてないだろうから」

俺の前に並べられたのは、豪華な料理の山。質素で和風な朝飯である。
俺、こーゆーの好き。女中さんが作ったのかな?

「俺が、作った」
「忍びはオカン?!!」
「???」

忍びは全員オカンなの? オカンなの?!! ねぇ、誰か答えて。
まぁ、俺もその1人だけどさ。
にしても、誰もいない大広間だな。これで朝飯食うのも寂しい感じが…。
甲斐なら、お館様がいて幸村の旦那がいて、旦那がいてきせらがいて、兄貴がいて、そして

——— 彼方、ちゃんと食べないとダメだよ?

佐助がいた。(割烹着姿、しゃもじを片手に)
くそ、オカン姿が似合いすぎているぞ佐助。お前は俺の大切な「人」じゃなく、大切な「オカン」にするか。
そんな事を思いながら、1人で食べていると。


「何じゃ風魔。おったのか」


[主……]
「RG? じゃなくて、主? あ、北条氏政!」

持っていた箸を落としてしまった。
青い着物に身を包み、紫色の鎧を着ているおじいさん(推定年齢70後半)
生きていること自体、奇跡。つーか、こんなんで戦場を蹂躙出来てる事が神だ。

「何じゃ小僧。儂を知っているのか?」
「あー、風魔から聞いた…(嘘ですよ)」
「そうか」

その北条は、上座に座ると酒を飲みだした。そして、言葉を紡ぐ。
それは、風魔に対する命令の言葉。

「風魔、甲斐の連中が動き出しよった。戦が始まるぞ」
[御意]
「ハ? え、甲斐の連中って……旦那達?!!」

おぉ、知っておるなと北条が言った。
嘘だ。皆が、小田原に来ている?
どうして? 俺なんかの為に?














「————ッ————」

握りしめた拳が痛い。
俺のせいだ。俺のせいで、皆死んじゃうのか?
嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!

「風魔よ、先に行き殲滅してこい」
[仰せのままに]
「止めて風魔! 傷つけないで!」

俺の大切な人達なんだ、と言う前に風魔は短く言った。


「ゴメン」



謝らないで。
ここに来た、俺がいけないのだから。