BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.43 )
- 日時: 2010/09/15 17:34
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
風魔編 第6話【風魔視点】
あれは、何だったんだ。俺の頭に、響いて消えたあの言葉。
『殺さないで』
あれは確かに、彼方の声だった……。
そして、今日の空は曇天。
嫌な日だ。
*****
佐助達、大丈夫かな。風魔に殺されてないよね。
紫色の煙は、今は見えない。だが、かすかにまだ甘い香りが残っていた。
誰か、俺をここから連れだしてください。俺はどうなっても良いです。
助けてください。
「彼方」
俺を呼ぶ声がした。 風魔か?
「大丈夫か」
「風魔———」
風魔の姿が、目に映る。
殺したの? 皆、消えちゃった?
だが、風魔は反対の言葉を返す。
「殺してない。大丈夫」
「……良かった…」
そう一安心した時だった。
「な、何をしている風魔!!! 奴らが攻め込んできたぞい!」
[今すぐ、追い払いましょう]
え、佐助達が来たの? 旦那も、来たの?
そう考えるが早か、俺は動きだした。
走り出す。走り出す。
それが、どこへ行くかも知らずに。
迷った。
*****【再び風魔視点】
城門の外に奴らはいた。
彼方を取り返す為だろう。そんな事、させたくない。
渡したくない…!!!
「どくでござるぁぁぁぁ!!! 万華繚乱!」
うわ、あの園田幸音って奴、城門をモップで破壊したぞ。どんだけ強いんだ?
いや、彼方が「旦那」と呼称するから相当強いんだろうが…。
「彼方! 彼方ぁぁぁぁ!!!!」
俺は、奴らの前に姿を現した。
*****【佐助視点】
風魔小太郎、あの伝説の傭兵じゃないか。北条に雇われていたのか。
くそ、こいつが出てきたらお終いだぞ。即刻お陀仏だ。でも、そんなのは嫌だな。
死ぬのなら、せめて彼方の隣で死にたいです。
「風魔、お前北条に雇われていたのか」
俺様の問いに、無言で返す。
流石、無口な伝説の忍び。カッコイイね。
しかし、奴はこう言ったのだ。
「猿影彼方は、渡さない」
彼方を、渡さない? そりゃ言ってくれるじゃないか。
彼方は、俺様の生き映しで俺様の大切な人なんだ。だから、嫌でも返してもらう。
俺様は甲賀手裏剣を取り出した時、海琉さんが前に出た。
「おうおう、俺の大切な大切な彼方をどこにやりましたか? えぇ?! 伝説の傭兵が何じゃ! 俺は貴様の子孫だぞ!」
「海琉さん、あんたちょっとどいt「黙れ猿! そこに正座してな!」うぇぇ?!!」
完全にご立腹の様子。この怒り収まらないかもね。
やらせてあげよう。
海琉さんは、忍者刀を取り出し構えた。風魔も同じように構える。
刹那、消えた。
ギンッ バッ シュシュッ ドカッ
そんな雑音が聞こえてくる。
音速で戦っているのだ。早くて見えないけど。
「彼方を返せぇぇぇぇ!!!」
「………!!!」
*****
お願いだ、傷つけないで。大切な人なんだ。
俺は、風魔と兄貴が戦っているところを見ていた。
早くて見えないけど、おそらく互角。
「止めろ……」
止めろと叫びたい。
でも、良いのだろうか? 止めてくれと、叫びたい。
「止めてくれぇぇぇ!!!! 兄貴、風魔あぁぁぁぁぁ!!!!」
俺はそう叫んでいた。
そして、いつの間にか体が動いていた。