BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.45 )
- 日時: 2010/09/17 17:28
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
瀬戸内コンビ 『アゲハ蝶』 第1話
※全体的に元千代視点だが、1話だけ視点なし。
彼方が風魔に連れさらわれた時の、瀬戸内。
その日、四国には前田慶次とその仕えている死神、風浪寧が遊びに来ていた。
「何スカ何スカ何スカァ。いきなり遊びに来るとかマジ勘弁ッ!」
元千代は愛用の双剣の手入れをしながら言った。後から黙っていたが。
だって、寧が怖いんだっ!
その後ろから、元親の護衛である潤がへらへらと笑いながら来た。
「あら、寧。遊びに来たん? 何か言ってくれればよかったのにさぁ。プンプン」
「全然可愛くないよ、潤兄ぃ☆」
「笑顔で言われると、傷つくよ?」
潤は苦笑いを浮かべながら言った。
すると、元親が「何事だ?」と、言いながらやってきたのだ。
元千代は、元親に慶次が来た事を知らせる。
「何だ前田の風来坊。この俺に何か用か?」
「用って訳じゃないけどね。そこの死神君、大丈夫かなって思ってさ」
「? どういう意味だそりゃ。潤がどうかしたか?」
元気なら良いや、と慶次は笑って見せた。
元千代は舌打ちをすると、青い海に視線を投げた。
キラキラ光る海は、まさに夏色。これは大物が釣れそうだ。
元千代は双剣を槍に変え、釣り糸を垂らした。
「お、子孫君は釣りかい?」
「ん? おぉ、元千代。どうしたんだよ、一体」
「別にぃ」
ただ暇なだけ、と返事を返すとまた海に戻る元千代。拗ねているのか、ただ釣りをしたいだけなのか分からない。
元親は首を傾げて、潤に手招きをする。
「こいつは役に立ってくれてるぜ。津波が来た時とかは、津波を吹っ飛ばしてくれたしな」
「うん。俺頑張った方じゃない?」
けらけらと笑うのが聞こえてきた。
元千代はさらに舌打ちをすると、海の底に目を向けた。
すると、一瞬だがキランッと何かが光った。
「ハァ?」
元千代は目をこすり、もう1度海の底を見た。
釣り針だろうか。いや、違う。
財宝か何かだ。
「こりゃ、俺の手柄だなっ!」
元千代はそう言い、釣り糸を引き上げた。
釣れたのは、
銀色のペンダント。
それは、誰かの物にそっくりだった。
あ、と元千代は思い出し、そいつの名前をつぶやいた。
「元喜だ」