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Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.46 )
日時: 2010/09/18 14:42
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

瀬戸内コンビ 『アゲハ蝶』 第2話

あいつのペンダントが見つかった。しかも、海の底から。
何があった、まさか……沈んだ?
いやいやいや、あいつに限ってそんな———

あるかも…。

「ち、チカさん! 安芸に行かしてください!」
「お、おぉ? どうした急に。元喜の所かい?」
「頼みます、一大事なんです!」

チカさんは何が何だかさっぱり、という顔をしていたが舵を取っている仲間に声をかけて、安芸に向かってくれた。
どうしよう、元喜がいなくなったら……。

喧嘩できる相手がいなくなる!

凜音は遠いし、彼方は強すぎる(本物の忍びだし)かといって、竹中は女だし…(いくら何でも女に攻撃出来ない)
だから、俺に合う奴は元喜だけだ。


*****

安芸

「元喜、元喜ぃ! 返事をしろ!」

毛利の陣地なのに、単身でずかずか入り込んでくる俺はバカだな。
あ、赤い鳥居がなんか綺麗だなぁ…、じゃなくて!
元喜を探せ、俺!

「元喜、どこ行った!」
「何を騒いでいるバカ千代が」

すると、俺の前に姿を現した元喜。何故か、オクラハットをかぶっている。
何故か、俺の中に安堵感が駆けた。

「ほらよ、海で釣れた」
「? これは、我の……? 何故貴様が?」
「だから釣れたんだって」

元喜は銀色のペンダントを受けとり、俺に背を向けた。
ありがとうの一言も無しかよ。冷たい野郎だな。まぁ、そこに期待はしちゃいねぇが。
すると、元喜はそのペンダントを突き付けて言ってきた。

「つけろ」
「ハァ? 何言ってんだお前」
「後ろまで手が届かん。これの付け方を知っている奴は貴様しかいないのだからな」

ハイハイ、仕方ないですねと俺はつぶやいて、銀色の鎖に手を伸ばす。
茶色の髪の毛がやけにさらさらしていて、気持ちが良い。って、何を思っているんだ俺は。おかしいだろ。
チェーンを金具にひっかけて、これで良し。

「ほら、つけ終わったぞ。ったく、とんだワガママ坊ちゃんだな」

少しからかってやろうと思い、俺はそう言ってみた。
ここで、元喜なら

『貴様をこき使って当然だ。我は日輪の申し子なのだから』

と、言って笑ってくるだろう。
そんな事を期待していた……、あれ、何も言ってこない。
すると、元喜は俺の事を睨んでいた。しかも、すごい怒っている。
怒ってる? やばくね、俺。殺されないよな…。一応、双剣構えとこ。

「何だよその目。戦んのか?」

挑発するように俺は言った。
すると、元喜は


「もう2度と、我の前に姿を現すな! この、バカ千代が!」


ついでに、傍を通った死神、夜闇五月ちゃんにこう言っていた。


「あのバカを痛めつけてこい。殺さぬ程度にな!」
「イエス、マイマスター」


五月ちゃんが、夜色の鎌を俺に向けた。
あ、れ? やばくねぇか? 本格的に、やばく———

「月泉(ゲッセン)」

霧が俺を包み込んだ。


*****

「お、どうした元千代。ボロボロじゃねぇか」

チカさんが面白そうに訊いてきた。
そう、俺はボロボロだった。霧で前が見えなくなるし、転びまくるし、最悪だった。

「チッ、誰があいつなんかに会いに行くかっつーの! こっちから願い下げだ!」
「何があったお前」

誰が行くかバーカ。
お前が頼んできてももう会いになんか行かないからな! バカオクラ!