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Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.47 )
日時: 2010/09/19 16:34
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

瀬戸内コンビ 『アゲハ蝶』 第3話【元喜視点】

昔聞いた歌で、こんな歌詞があったような気がする。


『あなたに会えてそれだけで良かった。世界に光が満ちた。
 夢で会えるだけでよかったのに。
 愛されたいと願ってしまった。世界が表情を変えた。
 世の果てでは空と海が混じる』


我は興味はないが、あいつに会えた時に頭の中にこの歌詞が浮かんだのだ。
あいつに会えて良かった? そんな事を、我は思っていたのか?
いや、それはないな。我はあいつが大嫌いなのだから。

「元喜よ、何をしている。呆けたように海なんぞ見おって」
「放っておけ。日輪を振り回すぞ」

元就の言葉に、乱暴な口調で言い返す。
流石の元就も、我がおかしい事に気付いた。

「やけに怒っているではないか。何があった」
「長富が来た」

その言葉を聞いて、元就は鼻で笑う。そして、我にこう言ったのだ。

「長富が来たから、そんなに怒っているのか? 貴様、おかしいのではないのか?」

確かに、最近の我はおかしい。
あのバカの言葉にだって、冷静に返す事が出来ただろう。しかし、それが出来なかった。
それだけじゃない。もう2度と、我の前に姿を現すなとまで言ってしまった。
何なのだ、あいつは我をドンドンおかしくしていく。

「まぁ、それも良いのではないか? 人には人の好き好きって物がある」
「我はあやつになんぞ、恋はしたりせん」

少なくともな、と付け足してまた海を見る。
元就はため息をつき、我に蹴りを入れた。とてつもなく痛い。

「何をする!」
「客だ」

そうして、見えたのは……鳶色の髪をした青年だった。どこかで、見た事がある。

彼方の兄、海琉だ。


「あんたに、少し訊きたい事があってね。毛利元喜君」