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Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.48 )
日時: 2010/09/20 10:36
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

瀬戸内コンビ 『アゲハ蝶』 第4話

「おーい、元千代。客だぞ」
「うーい」

俺はチカさんに呼ばれたので、下に降りて甲板に出る。そこにいたのは、

鳶色の髪をした、青年。海琉兄さん。

海琉兄さんは真剣な表情だった。しかも、かなり苦しそうな顔だった。
彼方に何かあったか?

「どうしたんスか、海琉兄さん」
「あぁ、彼方こっちに来てないよな?」
「? 行方不明なんスか?」

海琉兄さんがうなずくのが見えた。
あの野郎、また行方不明になりやがって……。また俺に迷惑をかけようと言う魂胆か?!!
上等だ、やってやろうじゃないの!

「探しすか?」
「いや、良い。いないなら大丈夫だ。あぁ、あとそれとな…」

海琉兄さんが出してきたのは、1通の手紙。きちんと折りたたんであって、綺麗だ。
その手紙を、俺に投げよこす海琉兄さん。そして、こう告げた。

「元喜君からだよ」

ハァ? あのオクラが俺に手紙を?!! 何でだよ。
まさか、決闘の申し込み——— だよなぁ…。
一応読んでみるか。

『バカ千代へ』
「バカじゃねぇ!」

冒頭からツッコムって俺…。

『バカ千代へ。
 貴様が我の前に姿を現わしてから、我が変になった。どうしてくれるのだ。
 貴様のせいだぞ。覚えておけ。

 あと、貴様が安芸に来た時に言ってしまった言葉だが、前言撤回だ。
 来たいなら来ても構わん。元就もそう申して居る。そこの、姫若子にも伝えておけ。
 フン、せいぜい生き残っていろ。貴様を倒すのはこの我なのだ
 毛利元喜』

もうカオスだ。何なんだよ、こいつ。何が言いたいの?
えーと、待て待て待て。安芸で言われた言葉…。


『もう2度と、我の前に姿を現すな!』


あれか。
別に、気にしてないから良いんだけどよ。
それと、姫若子って誰だ?

「あ、あいつ俺の事を書きやがって…!!!」
「へ? チカさん、姫だったんスか!」

海が似合う海賊が、何で姫…。プッ。
あ、ヤベ、睨まれた。

「少なからず、相手も悪いと思っているだろうよ。じゃーな、俺は彼方を探しに行かないと」
「悪いな、彼方の兄貴さんよ」

チカさんが海琉兄さんにそう言ってた。
ハハッ、何だこれ。笑えてくるじゃねぇか。最後の晩餐みたいな手紙の書き方だし。
元喜、お前殺されるのか?

—— 心配なんだろ?

黙れ。誰が心配なもんか。
あいつに心配をかけるなら、凜音にかけるわ。

—— 戻る事は、もう出来ない。

何でだよ。俺は道を踏み外したのか?

—— 戯曲の上に、お前はいる。

戯曲? 何それ、食えるの?

—— 導いてやろう。答えの所まで。


俺の目の前を、アゲハ蝶が通り過ぎた。
こんな海にまでいるんだな、蝶って。

いつの間にか、俺はアゲハ蝶を追いかけていた。