BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.56 )
- 日時: 2010/09/24 17:08
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
金色姫編 第1話【きせら視点】
アタシの兄は2人いる。
1人目は彼方。優しくて、強くて、家事が上手い自慢のお兄ちゃん。頭も良くて、友達がたくさんいる。
2人目……海琉。強くてカッコいいんだけど性格がダメ。彼方大好きのブラコン。
お兄ちゃんは彼方だけで良かったな。
*****
「ハイ皆ー、おやつの時間ですよー」
「「「「「はーい」」」」」
彼方兄ちゃんのコールがかかり、皆はぞろぞろと集まる。
幸音さんに幸村さんに紅羽姉さんに、彼方兄ちゃんの先祖である佐助さん。死神の翔さん。そして、あの海琉兄さん。
今日は彼方兄ちゃんがお菓子を作ってくれたらしい。
「今日はね、小十郎さんの所から枝豆をもらったから、ずんだ餅を作ったんだけど…。どう?」
「美味しいよっ! お兄ちゃん!」
本当に絶品。もう最高。
皆も美味い美味いと言いながら、ずんだ餅を頬張っている。流石自慢のお兄ちゃんだ。
隣で美味しそうに頬張っている、海琉兄さんとは大違いだった。
「彼方ーっ! これ最高! 流石俺の嫁!」
「誰が嫁だ誰が。兄貴、いい加減くたばるか?」
あはは、冗談止めてよーと海琉兄さんは言う。何が冗談だ。あんた、風魔小太郎の子孫だろう。もっとしっかりしろ。
何て、言う事は出来ず。アタシはずんだ餅を頬張る。
その時だった。
「きぃ、垂れてる」
「ハ? えぇぇ?!!!」
服の上に、ずんだ餅のたれがべっとりと付いていた。
最悪、これ結構気に入ってたのに!
すると、海琉兄さんが笑いながらアタシにこう言った。
「だっせー、俺なら絶対こんな事はしないねっ!」
ブチッッッ!!!!!
アタシの中で、何かがキレた。
その場をガタッと立ち上がり、外へと飛び出す。
「きせら? どうし————」
「海琉なんて、大嫌いッッッッッ!!!!」
そう叫ぶと、アタシは城門を飛び越えた。
最後に見たのは、彼方兄ちゃんの悲しそうな顔。
ゴメンね、お兄ちゃん。
海琉がいけないのだからね。