BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.62 )
- 日時: 2010/09/26 17:57
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
金色姫編 第3話【きせら視点】
越後。
アタシはかすが姐さんに拾われて、越後へとやってきた。
雪がすごすぎる。ものすごく寒い。
なのに、かすが姐さんは薄着で。慣れって怖い。
「あの、えーと…」
「お前の好きなように呼べ」
「あ、じゃぁ……かすが姐さん…?」
そう言って、首を傾げたらかすが姐さんは顔を赤くして照れていた。
アタシと似てるなぁ…。特に、髪の色。綺麗な金髪で、アタシも金髪。これは染めたんじゃなく、彼方兄ちゃんがやってくれた。
脱色じゃなくて、術でこういうのあるんだよ。
「ダメ、ですか?」
「いや、その、あまり慣れてないというか…」
慣れてないんだ。分かるよ、それ。
アタシも最初は、かすが姐さんはアタシを真似してんのかって思ってた。
けど、だんだんと慣れてきたの。そこで、あの海琉兄さんに言われたんだ。
—— お前って、あのかすがちゃんの子孫なんだよ。
それを聞いたのが、BASARAにはまり始めた小3の時。
驚いたよ、正直。だって、アタシの先祖がかすがちゃんだよ?
憧れだったかすがちゃんが、アタシの先祖だよ? それは驚くよ。
「でも、姉さんって言う雰囲気だから…?」
「……まぁ、何でも良い」
「じゃぁ、かすが姐さんで」
アタシね、お姉ちゃんがほしかった。兄が2人なんていうのは、何かむさ苦しいっていうか…ね?
何でも相談できるお姉ちゃんがほしかったの。
で、かすがちゃんを勝手に姐さん呼びにしちゃって。
「着いたぞ。謙信様、文で伝えた子でございます」
「はいりなさい」
優しい声が聞こえた。
入ればそこには、青と白を基調とした鎧を身に付けた人がいた。多分、上杉謙信だと思う。
アタシの友達で、謙信を好きな子がいたな。その子は、謙信の子孫で謙信を崇拝している子だった。
「わたしは、うえすぎけんしんです。あなたは?」
「アタシは……きせら。きせらです」
猿影、なんて言ったら…きっと強制送還。この世界ではアタシは良く知られていないから。
名字を隠しても、きっとばれないっ!
その謙信さんは、微笑を浮かべた。
「ようこそ、えちごへ。きのすむまで、ゆっくりしていきなさい」
「あ、ハイ。ありがとうございます」
とりあえず、寝床はゲットした。その時、
「あっれ? 謙信様、こいつ——— どっかで見た事ありません?」
謙信さんの横から、茶髪の女の子が出てきた。
確か…雷舞飛鳥。死神で、雷の死神だったと思う。翔さんの仲間なんだろう。
この人にばれたら大変!
「き、気のせいですよ」
「? ふーん、そっか。あたしは雷舞飛鳥。飛鳥で良いよ?」
気軽に話しかけてくれた。良かった、ばれてない。
すると、かすが姐さんが聞いてきた。
「彼方とかみたいに、お前も誰かの子孫なのか?」
彼方兄ちゃん知ってるの? と危うく聞きそうになった。危ない危ない。
ちゃんと息を整えて、かすが姐さんにこう告げた。
「アタシ、あなたの子孫です。かすが姐さん」
そう聞いて、かすが姐さんは驚いていた。
まさか、自分の子孫がこんな近くにいるとは思っていなかったからだ。
本当の事なんだからっ! へへん!
*****
「最近、猿影彼方という忍びが…有名らしいな」
闇夜に木霊する渋い声。
その声は、蝋燭の灯る薄暗い部屋で刀を大事そうに見ていた。
「でも、そいつには兄弟がいるらしいじゃないか。全員欲しいな…」
「そうだ、欲しがれば良いのだ」