BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.63 )
- 日時: 2010/09/27 10:39
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
金色姫編 第4話
きせらがいなくなって、3日が経った。
翔も一生懸命きせらを探してくれてたんだけど、見つからない。
他の死神—— 天空さんや潤さんにも言ったらしいけど見つからず。
「どこ行ったんだよ、きせら…」
兄ちゃんは心配です。何せ、オカンですから。
それにね、兄弟だし。大切な家族なんだからさ。
すると、佐助が忍び装束を着ながら現れた。その姿は、慌てているように見える。
あれ、戦かな?
「佐助、戦?」
「そうだよ。ついてきちゃダメだよ。あ、後海琉さんは連れて行くからね」
大人だから、と佐助は付け足して行ってしまった。
へぇ、兄貴が戦に参加ね…。まぁ、あぁ見えて大人だし風魔の子孫だし。
ちょうど良いタイミングで兄貴が通った。
「あ、彼方じゃないかぁ! 何でここにいるの?」
「兄貴、いい加減抱きつくの止めろ。うっとおしい」
抱きついてくるし、うっとおしいし。何かもう嫌だ。戦で死んでこい。
何て言って、本当は心の底では兄貴として慕っている俺がいる。
ハッ、笑っちゃうね。
「俺、川中島での戦に参戦してくるからさ。ついてきちゃダメだよ。彼方にはまだ早い」
「うるせー」
さっさと行って来い、と言うと兄貴はへらへらと笑いながら。
「いってきます」
と言った。
何だよあいつ。でもまぁ、頑張ってこいよとは言えなかったけど。
せめて、この思いが届きますように。
——— 死なないで。
って、思いは届かないと思うので。
「旦那、紅羽ちゃん、翔。川中島に行くぞ!」
「え、行くの? 別に良いけど」
紅羽ちゃんは、仕込み傘を持って言った。
旦那もモップを背に収め、立ち上がる。
「炎神……。やっと出番だな」
翔は赤い鎌に話しかけていた。
よし、これでそろったかな。
いざ、川中島へ出陣!
*****
川中島
うわー、もう戦いをおっ始めてる。壮絶だな、こりゃ。
流石、BASARAに残る名場面の1つ。赤と白の戦いだよこれ。
「きせらちゃん、戦に来てないと良いけど」
紅羽ちゃんが心配そうに言った。
あぁ、そう言えばきせらは、紅羽ちゃんの事を「紅羽姉さん」と呼んでいたな。
紅羽ちゃんも、きせらの事を妹のように思っていたし、学校でも6人組の部屋割で一緒の部屋だ。
まだ高校1年のきせらには、心強い存在なのだろう。
俺は女じゃないから、きせらの事は良く分からないけど、家族と思ってるし。
「あ、彼方! 海琉殿でござるよ」
あ、あの鳶色の髪の毛をした忍者は…兄貴だ。
忍者刀を巧みに操り、風を起こしながら戦っている。兄貴は風の忍術が得意である。
もっとまともになってくれないかな。忍びとしては良いのに。
「そう言えば、きせらちゃんはどこかしら?」
「金髪を探して。すぐ見つかる」
高い崖から、金髪の少女を探す——— が、いない。
くそ、どこ行ったんだ!
すると、翔が顔を上げて、つぶやいた。
「あれ、きせらちゃんじゃないか?」
指の先には、白い忍び装束に身を包んだきせらの姿。
まさか、あいつ…。
「上杉にいるのか?!!」