BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.80 )
- 日時: 2010/10/06 16:27
- 名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)
喧嘩上等編 第5話【視点無し】
皆が頑張っている最中、逃走中を仕掛けた張本人である月女神は、暇をしていた。
どう暇をしていたかって言うと、とてつもなく暇をしていた。
それはもう、寧が捕まっている檻によじ登って足をブラブラさせている程に。
「うちを解放してよ」
「ダメです。ルールに従ってください。大丈夫よ、あの人達、頑張っているもん」
それは興味のなさそうな声だった。
寧は、機嫌悪そうな顔を作ると、檻を蹴った。しかし、寧の怪力でも檻は壊れる事は無い。
あはは、と笑う月女神。
「無駄無駄。ダメですよ、寧ちゃん」
「何でッ私の名前ッ……」
月女神はんー、とうなった後、平然と答えた。
「うちは、月女神だよ? この小説の作者ですけど、何か?」
*****
彼方の方は焦っていた。
早くゲートを通り、潤と飛鳥を回収。そしてその2人を連れて、海琉の許へ戻る。
しかし、彼方は今、危機的状況下にいた。
「何でハンターがあぁぁぁぁぁ!!!!」
そう、彼はハンターに追いかけられていた。
しかも、それは2人。早い早い。
まるで忍びようだ。
「くっそぉ……!!! 闇術、黒鴉!」
彼方は自分に術をかけたのだ。
ヒュッと空気を切る音がして、彼方の姿が消える。
ハンターは目的を見失い、辺りをきょろきょろするしかなかった。
「危ねぇ……」
彼方はゲートの前に来た。
案の定、潤と飛鳥が縄に結ばれていた。うん、写真通り。
「潤さん、飛鳥ちゃん。今助けるから!」
「んー、ありがとうー」
潤はほっとしたような声をあげた。
彼方は、ゲートをくぐる。
すると、がちゃんと外れる音がした。縄が外れる音と、ロックが解除された音だ。
「大丈夫ですか、2人とも」
「べ、別にアタシは助けてほしくて……そんなんじゃないんだから!」
飛鳥は顔を真っ赤にして、ツンデレっぽく彼方に言い放つ。
潤はけらけらと笑いながら、走り出した。
「置いて行っちゃうよー、飛鳥」
「ま、待ちなさいよもう!」
「うわ、俺を置いて行くなよ!」
その光景を見る、2つの影。
「ねぇ、あれってさ……『忍、恋愛涙』の主人公に似てるよね」
「そうか? あー、まぁ、言われてみりゃ…」
「そうだよね、そうよね? 元千代がいるぅ?!!」
「おい、おーい、大丈夫かー? おーーい!」
駆け抜けて行くのは、少し茶色が入った髪の女の子と、漆黒の髪を持つ男の子だった。
にしても、誰だ……、こいつら。
*****
こうして、70分以内にミッションを成功した。
佐助も腹をくくって、セーラー服を着たらしい。涙目になって返ってきたが。
「ふぃ!! どうやら、ミッションは成功したかな!」
海琉は満足そうな顔をしていた。
ちなみに、服装は未だメイド服。何の意味がある。スカートが邪魔じゃないか?
まぁ、そこは置いておこう。
すると、また皆のPDAが鳴り響く。
『月女神より、ミッションを受信しました』
「またぁ?!! 今、終わったばか……。今度は音声?」
元千代がコールボタンを押すと、音声が鳴り響いた。
『やっほー、皆、頑張って逃げてるかな?
ここで、もう1つミッションを与えるよ。今度は、寧ちゃんの救出には、あんま関係ないけどね。
でも、このミッションを受けなかったらハンターの数が5体に増えるからね? You see??
んじゃ、ミッションの説明をするよー。
今、皆の森にいるね? その森から出ると、広場があるんだ。
どういう感じかって言うと、某ネズミが踊り狂って楽しいアトラクションがあるような。
彼方君たちなら分かるよ。うん。
で、その広場を1人は女の子、もう1人は男の子が逃げ回っています。
その2人は、いつしかハンターボックスにたどり着いて、鍵を開けます。
その前に、あなた達のうち誰か2人がその2人を止められます。
見分け方は、PDAが白い人だよ。
なお、その広場は南にあって、ちょっと遠いから皆の力を一時的に解放するからね。
んじゃ、健闘を祈る!
やりたくなかったら、やらなくて良いからね?』
声はそこで途切れる。
皆のPDAを見る。2人だけ、白いのがいた。
元千代と、元喜。
「お前らが鍵か」
政宗はPDAを見ながらつぶやいた。
「俺ら?! 嘘ん!」
「我はそんな面倒な事をしたくはない」
2人は面倒くさそうに言うが、海琉が2人を持ち上げる。つーか、抱きかかえる。
ハイハイ、行こうねー、と海琉は半ば強制的に走り出した。
*****
「さぁ、て。皆は逃げれるかな」
月女神は檻の上から、ニコニコとした表情で見ていた。
下は広場。さっき書いたのだ。
その広場を逃げ回る、女の子と男の子。
「やっほぅ! 元千代、早く来ないかなっ、てアタシは初デートの彼女かッ!」
そうノリツッコミをかますのが、雲院ササラ。
「はぁ、早く終わらないかな…、寝て良いかな」
早くもイライラしているのが、千歳戒。
さてはて、勝負の行方は?!!
残り時間、あと67分——。
次回に続く!