BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.85 )
日時: 2010/10/10 18:45
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

喧嘩上等編 第7話【視点無し】

「待てぇぇぇぇ!!!」
「きゃははははwwwwww」

ササラはけらけらと笑いながら、逃げ回っていた。
元千代は、必死に追いかけるがどうも追いつかない。何かあるのか、こいつに。
余裕そうな笑みを浮かべたササラに、元千代はキレる。

「何でそんなに足が速いんだよッ! 疲れるだろうが!」
「疲れさせたいもん。アタシとしては、恋人みたいに、あははうふふな展開を望んで——」
「んな事、誰が……」
「元喜君と」
「……/////」

照れる元千代。
そのすきに、ササラはまた逃げ出す。
はっとして、我に返った元千代は、ササラを探して走り出した。
すると、さっと人影が目の前を横切る。
元千代の手が、咄嗟にその人影をつかんだ。

「?!! 何をする、バカ千代! 放せ!」
「なっ……、元喜?!!」

かなりご立腹の元喜が、元千代の手を振り払った。

「何だよ、お前もか」
「当たり前だ。我とお前だけしか、奴らを捕まえられない。そうこうしているうちに、奴らはボックスまでたどり着くぞ」

元喜の言葉は正しかった。
早くしないと、あの2人がボックスを開けて、ハンターが2人になってしまう。
そんなのは、死んでも御免だ!

「元喜、何とかならねぇのか!」
「何とかって言われてもな、月女神って奴のせいで武器が……」

元喜は舌打ちするように言った。
確かに、武器は持っているが攻撃は不可能。もし攻撃を加えてしまえば、失格となり牢獄行きだ。
元千代は頭を抱えて、しゃがみこんでしまった。

「何をしているバカ千代。さっさと立て」
「? 何言ってんだよ。俺はな、彼方や海琉さんと違って足なんかこれっっぽっちも速くない……」

元喜が元千代の頭を殴る。

「お前は、現実世界でも足は遅かったか?」
「!! そうだな、海の男—— 長富元千代をナメんなよ!」

元千代はそう言うと、ササラが走って言った方向に向かって走り出した。
取り残された元喜は、頭をぼりぼりと掻き、つぶやいた。

「あいつの場合は、おだてた方が良いのかもな」

それで良いのか、お前。
すると、元喜の手が横に滑り、誰かの衣服をがっちりをつかんだ。
その先には、戒がいた。

「何で、元喜さん……」
「全て計算の内よ。知略で我に勝とう何ぞ、百万年早い」
「ハァ、やっぱり、毛利元就の子孫様には勝てませんね……」

戒は大きなため息をつき、元喜に鍵を渡した。


*****

一方、元千代の方はというと。

「くそ、くそっ! どこ行ったぁ!」

元千代は地団太を踏んだ。
ササラが見つからない。ただそれだけの事。

でも、皆に迷惑をかけてしまうという重大な事。

「ササラぁぁぁぁぁ!!!! 出てこいやぁぁぁ!!!」
「何?」
「どわぁ!!!」

傍の茂みから、ササラがひょっこり出てきた。
元千代は、バクバクと鼓動する心臓を押さえて、息を1つ吐いた。

「何で出てくるんだよ?」
「名前を呼ばれたから」

それはもう、正しい正論としか言うしかなかった。
元千代は恥ずかしくなり、顔を隠す。
ササラは首を傾げて、元千代を見ていた。

「ん〜? どしたの、元千代。顔が痛いのって、ンな訳あるかッ!」

ノリツッコミをかますササラ。
元千代はササラをがっしりと捕まえて、問いかける。

「鍵を出せ」
「鍵? 何の事?」
「とぼけるな、捕まえたんだから出せ」

ササラは渋々鍵を元千代に渡した。
こrで、ミッションは終了。


*****【月女神視点】

「あーぁ、鍵渡しちゃったよ。ツマンナイの」

望遠鏡で見る限り、現実世界から呼びだしたササラさんと戒さんはあっさり捕まってしまったらしい。
元千代君と元喜君は、嬉しそうに仲間の許へ戻って行った。
あーぁ、こんな広大な土地で、逃走中とかやるからこんなツマンナイゲームになるんだよな。失敗。
うちは、ひょいと檻の中の寧ちゃんに視線を落とした。
相も変わらず、つまらなさそうな表情。綺麗な顔が台無し。
そんな寧ちゃんに、うちは声をかけた。

「仲間の許に、戻りたいと思わない?」

寧ちゃんの視線が、こっちを向く。
あ、戻りたいんだね。やっぱり。

「だったら何よ。戻してくれるの?」
「うん、無条件でね。ゲームの復活をしてあげる」

そうだ、こんなつまらないゲームは早く終わらせた方が良いんだ。
良くやるんだよね、つまらない事はささっさと飛ばした方が良いっての。
小説でもそう。ラノベでもそう。つまらないシーンがあれば飛ばしちゃう。
だったら、飛ばしちゃった方が良いよね?


「最終ミッション、残り5分に設定。風浪寧を解放」


そうノートに書くと、檻が消えて寧ちゃんが地に降り立つ。
最終ミッション、それはね。


「133人の、忍び型ハンターから逃げ切れるかどうかっと……☆」


つまらない事は、面白くしてしまった方が良い。