BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 戦国BASARAでBL「忍、恋愛涙弐ー猿影彼方は俺の嫁!ー」 ( No.90 )
日時: 2010/10/23 13:16
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

という訳で、小説第2弾!!!

彼方×幸音 シリアス死ネタ
少し悲しい系だから、見たくない人は回れ右。
……OK? 大丈夫?

それでは、書きます!


【ヒ ガ ン バ ナ】幸音視点

それは、青い空の下で起きた事。

白刃が某の前に迫っていたのだ。


「旦那!!!」


飛ぶ血飛沫。

誰の物?


「彼方あぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

*****

「気の毒に」

「まさか、ね」


嘘だ。 嘘でござる。

彼方が居なくなるなんて、嘘でござる。

きっと、またいつもみたいに家出中でござる。


でも、何で?


海琉殿も、きせら殿も、佐助殿も皆涙を流していて。
凜音殿も、小太郎殿も、幸村も皆、悲しそうな顔をしていて。
そして、彼方は写真の中で笑っていて。


(夢だ)


ただ、写真を見ている某は、そう思った。
冗談だと、嘘だと、夢だと誰か言ってくれ。早く目を覚ませ。
ダメだ、覚めない。
怖い。失うのが怖いものを、失った。
誰か、誰か嘘だと言って。

「……、幸音君」

「話しかけるな。今は、話しかけるな」

海琉殿の鳶色の髪の毛が、残念そうに引いて行く。
あぁ、某はおかしくなったな。
何で写真の前で、涙を流すのだろうか。

彼方は、いるのに。


「幸音」

某の名前を呼ばれ、その方に視線を移す。
黒い死神装束を身に纏い、紅色の大鎌を持った翔が姿を現した。いつ見ても、女子と見間違えるほど美しい。
翔は無表情のまま、真実を告げる。

「彼方が、死んだ」

重い、
苦しい、
嫌だ、

「だから、現実を受け入れろ」

「嫌だ!!!」

某は立ち上がり、翔を睨みつける。
生きているんだ。彼方は、生きているんだ。

「彼方は、生きている!!!」

彼方は、彼方は某を残して死んでいくなんて事はない。きっと、どこかで生きているんだ。
だから、某は彼方が返ってくるのを待ってここにいるんだ。

「だから、現実を……!!」

全ては、嘘で出来ている。
この世界だって、嘘から出来ているのだ。
某は信じない。もう何も、信じたくはない。
だって、彼方は生きているのだから————。

「……幸音、」
「もう良いよ、翔。そっとしておきな」
「佐助、でもあいつ———— 現実を受け入れて……」
「誰でも、現実を受け入れたくなくなるのはあるよ」


「俺様みたいに」


*****

彼方が死んだなんて、嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ。
だから、きっとどこかで生きていて笑顔で帰ってくるに決まっているんだ。

「彼方ぁッ!!!」




「旦那?」




目の前に映る、赤い色の髪の毛。見覚えのある傷。
少し茶色がかかった瞳は、心配そうに某を見下ろしていた。

「か、なた、?」
「どうしたの、旦那? 泣きながら寝てたけどさぁ」
「寝てた?」

寝てたよ、泣きながらと彼方は言う。
あれは、夢?

「大丈夫? 気分悪い?」
「平気だ。でも、少し——怖かった」

涙が出そうになる。
あれは、悪夢だったのか。良かった。

「彼方」

「何?」


「絶対に、某を残して死なないでくれ」


いきなり何を言い出すのさ、と彼方はけらけらと笑いながら言った。
でも、これは本当。本気の願い。
真面目な顔をして言った某を見て、彼方はそれが本気だと思うと、口を開く。

「大丈夫だよ、旦那。絶対に、死なないから」

「約束だぞ」

「了解」



ヒ ガ ン バ ナ END

夢落ちで良かった……。