BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

第五話・・・その手を ( No.7 )
日時: 2011/07/30 14:21
名前: マッカナポスト (ID: 2awtZA.D)

「どうも、虚と言います。田丸の友人です。」
という、単純すぎる素っ気無いあいさつで、明らかに異質過ぎる人間が入ってきた。

優大としては不覚、発してはならぬ本音をついつい発してしまった。
「また変なの来た」
あくまでも『偽りの本音』だ……と信じたいが。

一つに束ねた黒髪の長髪に、切れ長の透き通った瞳。が官能的で、妖艶で。
男である優大でさえ惚れ惚れしてしまうくらい、
場違いな人間だった。

「あの……お、んなですか……?」もう優大は日本語が分からなくなってしまったようだ。
優大は、答えの分かる質問を繰り返し問いただすと言う理性もへったくれも無い、馬鹿馬鹿しい会話手段を選んだ。

彼女(?)は、黒々しい堕天使の如く妖艶な笑みを浮かべ、一言。

「このたわけが。判るだろうが、細部を見ろよ馬鹿」

当然の事だが確かに喉仏もある。
本当に当然過ぎるが胸もない。

寧ろ、色気しかない。
色気の一言しか無い位に。
言葉の語彙が少ないとかは無しにして。

___これが歩く18禁ってやつか。
今日一日で俗語ばかり覚えてしまった優大であった。

「優ちゃん、幸せだねえ、(俺も含めて)こんな美少年がたくさんで」


拓夢の見せる不敵な笑み、
小学校からの、あいつの癖。