BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 第二十五話・・・不安定な基盤、法律違反、イスタンブール。 ( No.103 )
- 日時: 2011/02/19 18:47
- 名前: マッカナポスト (ID: xO/yAhl7)
_____その瞬間の描写など言うまでも無い。
調子に乗るな、という言葉をそのまま体現したような。
拓夢が此処まで怒りを露にしたのは久々なのではないか。
「は・・・ははっ、メイドとして喧嘩に強いのは良い事じゃないよ・・・?はっ、はははっ・・・・・」
後退りしながら投げ遣りに作り笑いを見せる政孝に対して、拓夢は吐き散らすように言った。
「武装メイドだって人気じゃないの?ねぇ?」
そう冷たく投げかけると、尻餅をつきながら恐れ戦く政孝を踏み潰してせせら笑った。
「お前のせいだ、って事をくれぐれも忘れないように。じゃっ」
その頃、大きな物音に気がついた優大は、店の外に出た。
訝しげな顔で辺りを見回すが、周りには何一つ異常が無いと分かると、店に戻ろうときびすを返した。その時だった。
「優ちゃんっ!!」
聞き覚えのあるこの柔らかな棘の無い声。甘い果実のような甘美たる香り。求めていた声。自分から突き放してしまった愛すべき者。
「た・・・・・くむ・・・・・?」
さも当たり前のように優大に抱きついてきた拓夢とは対象的に、優大はまったく状況を理解できていなかった。
「怒って・・・・無いのか?」
「馬鹿だなぁ・・・。優ちゃんは正真正銘の馬鹿だ」拓夢が狂ったように笑い出したものだから、優大はますます事情を理解できなくなった。
「俺が早く去ってったの、嫌われたせいとでも思ってたの?」
どうやら図星らしい。
「ははっ!!!・・・・まったくなんで優ちゃんってこんな可愛いんだろうな・・・。違うよ。はい、これっ♪」
ご機嫌そうに言った拓夢は、虚と同じ要領で優大にそっと大きなチョコを握らせる。
「あっ・・・・ありがとう・・・・/////」恥ずかしそうな、じれったいような、微妙な表情を見せながら、優大は静かに笑った。
「で?俺のチョコは?」相当期待してるのか、拓夢は満面の笑みを浮かべながら覗き込むように訊く。
「・・・・・・・・・・・へ?」
「へ?・・・・と言いますと。まさか忘れたと言うことは無いだろうねぇ・・・・?」一言一言を紡ぐうちに顔が強張り、黒々しい笑みへと変わっていく。
「こんのっ・・・!!!優ちゃんの馬、、、、、鹿あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「すいませえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええんんんんんんんんんんんんんんんんんっっっっっ!!!!!!」
本日最大、121デシベル達成。と喜んでいるばかりではいられない。
その後優大は2週間程頭の瘤が癒えなかったという。
まぁ、一番の平和は何か異常があることって言うしね。
ちなみに、その15分後には仲良く手を繋いで工房に帰っていったとか。
*
「ただいまっ!」