BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 第十話・・・林檎色の口紅 ( No.18 )
- 日時: 2010/11/06 19:01
- 名前: マッカナポスト (ID: g5yX4cMd)
「はい、終わり」
____やっと終わった・・・。このドキドキから開放される・・・。
「ありがとな」
素っ気無い一言が優大の心臓に突き刺さる。
「優ちゃんってさあ、顔に出るよねえ・・・」
「・・・・・っ」__バレてたか。
「お顔が真っ赤っかだぞ、可愛いなあ、ほんとに」
そう言って優大の頬にそっと触れる。その顔はまるで女のような色気があったが、どこか幼いような、物悲しそうな瞳をしていた。
「ほら、座れ」
「・・・ぶっきらぼう」拓夢はうっすらと笑みを浮かべる。
「で、脚か?・・・まだ血が出てるから、包帯で止血しておいた方がいいな」
「お願いな」一瞬、昔の拓夢が戻ったような気がした。
「・・・・・・・」
女のようにか細い拓夢の脚に、包帯を巻いていると、拓夢が話しかけてきた。
「優ちゃんって、本当変わらないよな。すぐ顔に出るのも昔っから。・・・大切な人にもいつも優しかったもんね。俺がこんなに変わっちゃったのに、昔とおんなじ様に話しかけてくれる。・・・だから・・・好きに・・・・なったんだろうね」
優大の手に一滴の雫が落ちる。
「泣いて・・・るのか?」
「泣いてなんかっ、・・・無えよっ////・・・優大のばかあっ・・・優大のせいだからな・・・/////」
「___お前こそ、顔・・・真っ赤だぞ・・・?」
____拓夢は、静かに笑みを浮かべた。
「・・・・・・・優大、・・・・・好き、だよ」
恋なんてした事無かった。女のこと好きになった事も無かった。このままで良かった。独りで、誰にも縛られずに生きたかった。たとえ人生が退屈だったとしても。ドラマとか漫画とかの世界だけでも良かった。
_______なのに。
”恋”なんていう行き止まりだらけの「迷路」に、俺は”故意”に飛び込んでしまった。
___「敵」がいることも知ってたのに。
「・・・・・優ちゃんの・・・・・ばか。」