BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

第十三話・・・からくり人形は廻り、導かれ、****。  ( No.33 )
日時: 2010/12/09 19:30
名前: マッカナポスト (ID: qwjQ/00r)

「お邪魔します・・・」どこかもどかしげな口調で静かに入っていく優大。
「・・・・単純馬鹿」____そう小声で拓夢が呟いたような気がした。
「おおっ、結構きれいにしてんじゃん♪」
「悪いか。」__ぶっきらぼうな返事。一瞬優大と拓夢の心が一つになった。それを知っているかのように、拓夢は静かに笑った。
「・・・お茶しかないがい・・・」優大が口を挟む。
「いいよ、さっき拓夢ん家で頂いちゃったし。」
「そっ・・・そうか////」


                     沈黙。


「・・・着替えてくる」虚の突拍子もない一言に、思わず優大は笑ってしまった。
「なっ、何が可笑しいんだよっ/////」
「虚ってさ、天然なんだな〜・・・って思って。」
「あ〜あ、虚ちゃん、天然優ちゃんにそんな事言われちゃったらおしまいだよぉ?」
「・・・・とりあえず俺は着替えてくる////」ああ、可愛いなあ。___そんな事をふと思ってしまった俺ってどうなんだろうか。







「まったく虚ちゃんったら・・・ねえ?」
「・・・でも天然は仕方ないよな(笑)」
「優ちゃんもまったく・・・いつまで経っても目が離せないしさぁ・・・」色気のある、でもどこか幼さが残る大きな瞳で優大を見つめる。
「えっ、それってどういうことだよ?」
「虚と俺、二股はダメでしょぉ・・・・」
「えっ?・・・その・・・・え・・・っと////」
「しらばっくれても無・駄!!お見通しなんだからぁっ!この俺が分からないとでも思ったか!?」
「___拓夢が好き。・・・でも虚も好・・・」       
         ピンポーン・・・

まるでトレンディードラマの様なベターな展開。
「む〜〜〜〜むた〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!」

ねったりとした甘ったるく低い声に拓夢は悪寒を覚えた。

______ついに来たか・・・・・。

「優ちゃん、何とかしろ」昔の拓夢を思い出させる声に、優大は少しドキッとした。
「はぁっ!!?おっ・・・俺は関係ねぇだろ!」
「ちぇっ・・・図々しい奴」
「いつもの”追っかけ”?」優大が訊く。
「うん。『政孝』っていうんだって。苗字は知らないけど。」
「ふ〜〜〜〜ん」納得したのか、優大は大袈裟に頷く。
「・・・って、そんな事話してる暇ねぇよ!!!!」優大にしては珍しく、現状把握ができた様だ。



拓夢がこんなピンチなのに、一向に帰ってこない虚。なんて馬鹿な奴なんだ___・・・さっきまで好意をむき出しにしていたのにも拘らず、急に憤怒の念を抱いた変人優大であった。


「むむたぁぁぁん・・・もうそこに居るの分かってるんだからね・・・」荒い息遣いがドア越しに響く。_______こいつ、どこで拓夢の家の場所知ったんだ・・・。優大の頭の中には疑問符ばかりが浮かぶ。
「・・・・・開けて」
「おい、拓夢何言って・・・」優大は驚きを隠しきれない。
「さっさと開けろっつってんだろ・・・」拓夢は声を荒げた。





         ガチャッ・・・・




仕方なく拓夢自身が扉を開けたその時、戦慄という名の幕が上がった___________