BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

第十四話・・・黒風白雨ノセカイ。 ( No.40 )
日時: 2010/12/15 20:02
名前: マッカナポスト (ID: cYSZrqDn)

「やっと開けてくれた・・・・。ふふふふふ・・・・むむたん、最近路上ライブ全然やってないんだもん、ねえ・・・?」政孝の荒い息遣いと心臓の鼓動が、奇妙なバランスを保ちながら共鳴する。





嗚呼・・・・・。開けてしまって本当に良かったのだろうか。後悔が降り積もり、心の歪みがますます広がっていく。





拓夢が重い口を開く。
「政孝さん・・・でしたっけ。僕のプライベートまで入り込んでくるなんて、犯罪ですよ?・・・・ほんっとに、今までそれを受け流し続けた俺も馬鹿。
______でも、物事には”限度”ってモノが必ずついてくるんですよ・・・。この場所でこの俺をここまで怒らせといて、俺・・・知ってんだぞ?
俺を轢いた従兄弟と一緒に何か話してたことも。
住所もそこで手に入れたんだろ?」

優大は驚きを隠せず、そのまま棒のように立ち尽くしている。

「ほんとに、路上ライブやめたとか言うけど、お前のせいだって事、まさか知らなかったなんて言わねえだろうな・・・・」拓夢の顔には目に視えるほどの憎悪の表情が浮かんでいる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
政孝はただただ俯いて黙りこくっている。




「ってめえ______謝るって事を知らねえのか!!!?」
_____完全に拓夢が昔の拓夢に戻った。
それがなぜか、ちょっぴり嬉しかった優大であった。









その後。この騒動は拓夢の要望で、警察沙汰になる事は無く終わった。_____もちろん損害賠償は払ってもらったが。
「おっ、おい・・・。俺がいない間に何があったんだよ?おいっ!?」
着替えたついでに掃除をしていた虚は、怪訝そうな顔をして訊く。



「・・・・・・・・いろいろ・・・、ね。」拓夢の表情が微かに曇る。
「はあっ!?俺に教えないなんてどういう事態だったんだ?!」ナルシモード発動。
「お前は知らなくてい、い、こ、と。分かったか?」
「分かるかこの天然メガネ!!!!!」
「お前に言われたくねえ、このロン毛女顔が!!」
「まあまあ、落ち着いて。ね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ」虚が小さく舌打ちをしたのを拓夢は聞き逃さなかった。
「お前はとっとと失せろ、俺にそんなに襲われたいのか・・・・・?」拓夢らしからぬ、衝撃の発言に二人はなぜか頬を赤く染めた。





_____今回の件で拓夢が急に男らしくなって、胸の高鳴りを隠せない優大と虚であった。