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Re: 【オリ/狂愛Butterflup】黒猫の幻想曲【※ヤンデレ】 ( No.53 )
日時: 2010/11/03 12:39
名前: 刻鎖 ◆4PE6.BwxWY (ID: aYwQGfB6)

「格好つけさせて」3Z神沖

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1.

「おいチャイナ」

ある日、サディストが私にこう言った。

「——勝負、しねぇかぃ?」

「勝負?」

いきなりそんなこと言うもんだから、一瞬「は?」って顔になってしまった。

「何を、ネ?」

勝負って言ったって、いろいろあるから分からない。

そう思って尋ねたら、あろうことかアイツはこう言いやがった。


「全部——でさぁ」


2.

「はァ?全部?」

「あぁ」

「私とお前がか?」

「それ以外に誰がいるんでぃ」

「全部って、テストも?」

「おぅ」

「体育の種目も?」

「だから言ってんだろぃ」

信じられない。

ずーっとコイツと勝負すんのか?



あ、でも——・・・負けるのは嫌だけど。


「負かすのは、楽しみアル」

にま、と笑って見せる。

「言ってろぃ、俺が勝ちまさぁ」

余裕で返してくる、アイツ。



——これは、負けられないネ。



3.

「勝つのは私ネ。それ以外に何もないアル」

「言ってろチャイナ。後で負けて泣きついてきたって知らねぇよ」

「泣きつくのはそっちネ」

「——覚悟しろぃ」


それから、アイツと私の、毎日の勝負が始まった。



4.

勝負は、5つで決まるらしい。

さっそく、1つ目の勝負が決まった。

昨日受けた現国の小テストが返ってきたのだ。


「「せぇーのっ!」」

バンッ!!

『30点』

『23点』

勝ったのは。



「いぇーいっ!私の勝ちアルっ!」

「ちっ」

まずは、神楽一勝。


「え?てゆーか、現国悪すぎじゃない2人とも?何、先生の教え方が悪いわけ?」

地味にへこんでいた現国教師・銀八であった。


「「だって、先生ろくに何も教えてないじゃん」」

「・・・」

生徒からのブーイングに、さらにへこんでいたという。



5.

「次は体育ネ」

「得意分野でぃ。負けてたまるか」

この言葉に、生徒全員が冷や汗した。

——この2人が対立すると、いつも2人しか残らないから。

奇しくも競技は球技。

皆望むのは「ドッジボール」。

「じゃー、始めっ」

ピーッ





——残るは、2人。

「そろそろ当たったらどうなんでぃ」

「嫌アル。そっちが当たるヨロシ」

「嫌でぃ」

ひゅんっ、ひゅんっ、ひゅひゅんっ。

ボールが速すぎて見えない。

外野にも、一回もボールは渡って来ない。

(早く勝負ついてくれ・・・)

全員が静かにそう祈っていた矢先のことだった。


どんっ!


「あ・・・」

「ふっ。夜兎、ナメんじゃねぇーヨ」

神楽、二勝。

——早くもリーチがかかってしまった。




6.

「わぁっ!沖田さんっ」

山崎が飛んでくる。

「ちっ、このままじゃ終わんないぜぃ」

「何とでも言ってろヨ。ま、勝つのは私だけどな」

あははは、と快活に笑う。

沖田は一人、むすっとした表情でうつむいていた。




「チャイナに負けるなんて・・・」





7.

勝負は早々と決着がついた。

翌日に、歴史のテストが返ってきたのだ。


『56点』

『53点』

——わずか、3点差だった。


「私の勝ちネ!! 3つ勝ったから私の圧勝アル!」

「——・・・」


アレ?

なんかコイツ、泣きそう?

「——・・・ったのに」

「え?」

今、なんて?


「チャイナに・・・格好つけたかったのに」

真っ赤な顔してそっぽ向く。

あぁ、なるほど。

それで「勝負」なんかしたんか。

——可愛いヤツ。


「大丈夫アル。お前は十分、格好いいネ」

「っ・・・///」

「あ、やっぱ前言撤回」

「はっ!?」

お前は。

誰よりも。


「——可愛い・・・ネ」

「なっ!?」


ちゅっ


油断してたアイツの、女みたいな口唇に、そっとキスをした。



「大好きアル」

可愛い可愛い、お前が。





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 神沖長編もらった!
 すごいよさすがだよ祐希さまこそネ申だよ!!