BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: _____灰猫の幻想曲 ( No.114 )
日時: 2010/12/21 19:04
名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: aYwQGfB6)

 息抜き!②←

 * *

■屋上にて




「あれ、筑紫さんは?」
「澪なら……サボりだと思いますよ」

 教師の質問に対して、あたしの答えはそんな簡単なもの。
 先生は、ため息をついて小さく呟いた。

「……またかー」


 知らない。
 澪のことなんて、知らない。

「馬鹿なのにサボれるところがすごいですよね」

 先生の呟きに、自然にそうやって返す自分に驚く。先生は、あたしの言葉を無視して授業を再開した。





 チャイムが鳴って、4時限目は終わった。あたしはすぐに皆本が作ってくれたお弁当を持って階段を上り、屋上の扉をそっと開く。

 冷たい風がすぅっと頬を撫でた。


「澪、いる?」

 今日も、屋上には誰もいない。夏の間は結構人がいたのに、冬になるとぴたりとこなくなった。
 それでも、あたしたちはいっつもここで昼食を食べる。


「いる」

 小さく澪の声がした。
 つい、にやけてしまうのが悔しい。


 他愛ない会話をしながら食べる昼食も、結構美味しく感じられるものだ。




(あ! ちょっ、そのからあげもっとちょうだい!!)