BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: _____灰猫の幻想曲 ( No.121 )
日時: 2010/12/23 11:14
名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: aYwQGfB6)

「……え、ねえってば!」
 目が覚めて、いちばん最初に視界に入ってきたのは、さっきの女。
 だが、せっかくの昼寝タイムを邪魔されて機嫌の悪いナツは、彼女を無視してまた目を閉じる。——が。
「っ!?」
 急に頬にとてつもない痛みが走った。思わず目を開くとやはりそこにいるのはさきほどの女で。
「人の話はちゃんと聞きな!」
 なんだか知らないが怒ってる。
 もう授業は終わったらしい、教師はもう教室にはいなかった。つねられた頬を押さえると、観念したのかようやくナツは彼女に向かって口を開いた。
「……誰だァ?」
 その一言だけ。だが、十分殺気の混じったオーラをだして彼女を睨んでいる。
「誰ってあんた……っ」
 いい加減な態度に切れそうな女は、ナツを殴ろうと(もちろんパーでだが)でもしたのか手を振り上げた。
 そんな彼女を慌てて止めるのがレビィという少女。
「ちょっと、ルーちゃん駄目っ!」
「レビィちゃん?」
 名前で呼び合っているところを見れば、おそらくもう仲良くなったのだろう。
(ルーちゃん?)
 あだ名に少し違和感を感じたが、そんなことはどうでもよい。
「レビィ」
「はっ、はい!」
 女からレビィに視線を向けると、ちっと舌を鳴らして「シッシッ」という仕草をする。
「こいつうるせェ」
「ご、ごめんなさい!」
 それだけで女を連れ、さっさと向こうに行ってしまう女子の群れ。
(——……うぜェ)
 自分の隣の席は、空いていたはずがピンク色のカンケースが置いてあった。そして、そこには『ルーシィ』と見慣れない、聞き慣れない名前が記されていた。
(ルーシィ、ね)
 そして、何を考えついたのかにやりと悪戯な笑みを浮かべた。