BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: _____The wound loses if cured ( No.158 )
日時: 2011/02/09 06:54
名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: 9yCTBNZC)
プロフ: ※流血表現含みます。観覧注意!

「あ……っ、り、リン……」

 その鏡に映っているのは、俺じゃない。服だって違うし、身長だって違うし、表情だって、違う。でも、俺の動きと全く同じ動きをしてるリン。
「リン……! リン!」
 思わず、鏡に触れた。リンの手も、俺の手に重なるように鏡に触れた。
「れ、レン……」
 声は聞こえた。少しだけ高めな、強気、っていう感じの、リンの声。だけど、俺には震えているように感じられた。
 ——届かない。いくら鏡に手を置いても、リンには届かない。

 鏡に口をつける。リンも重なったように見えるけど。触れられない。……抱きしめたい。唇だって重ねたい。今すぐその涙を拭いてやりたい。…………でも、できない。
「くそ……っ、リン!!」


 ガンッ、

 鏡にひびが入り、俺の拳からは血が一筋流れてる。
 すると、リンの右肩から突然、大量の血が溢れだした。
「っ……!」
「リン……っ!?」
 ——次の瞬間、俺の左肩からも大量の血が溢れだす。痛みに顔を歪め、慌てて傷口を手で押さえる。
「れ、レン……!」
 ぼろぼろと涙を溢し、リンは言った。



( ごめんね、大好きだよ )


 ——だから、一緒に逝こう?
 ——レンが居ないなら、生きる意味なんてあたしにはないよ。
 ——だから、この鏡、壊してしまおうよ。
 ——そうしたら、あたしのこの涙、止めてね?