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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: _____The wound loses if cured ( No.184 )
- 日時: 2011/01/05 21:26
- 名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: 9yCTBNZC)
■そんな君を見ているのが楽しくて
「千鶴〜?」
平助は何気なく千鶴を探していた。特に意味はないが、それでもいつものように千鶴の傍にいたいという気持ちがどこかにあったのだろう。仕事で1ヶ月ほど千鶴と顔を合わせていない平助は、屯所に戻るなり千鶴を探し始めた。
思ったより千鶴は早く見つかる。もう雑用は終わらせたようで、彼女は階段に座っていた。
「平助君っ」
彼を見るなり千鶴の表情はぱあっと明るくなる。
にっ、と笑うと、平助は千鶴の隣に腰を下ろした。
「——それにしても」
平助は両手をぐぐっと天に向かって伸ばし、ふあぁ、と欠伸(あくび)をした。「疲れたぁ」、そう言おうとしたとき。
ぐりっ。
「うあっ!?」
千鶴が平助の肩をもんだ。突然のことだったため、普段あげないような声もついついでてしまった。慌てて自分の口を塞ぐと、いつの間にやら自分の後ろにいた千鶴を見上げた。
「いきなり何すんだよ?」
少しむっとしたようにそう言った平助に、千鶴は笑顔で答えた。
「……だって、平助君疲れてるみたいだったから——」
平助はその言葉に少し違和感を感じる。
「いやいや、隊務は肩とかこるもんじゃな————んンっ」
だが、何か勘違いしている千鶴はまたぐり、と平助のつぼを押した。
…………千鶴は何気にすごく上手かった。再び口を押さえて、顔を真っ赤にしながらも何も抵抗できない平助であった。
(——可愛い)
千鶴はそんなことを思ったとかなんとか。
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