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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: _____The wound loses if cured ( No.213 )
- 日時: 2011/01/08 22:01
- 名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: 9yCTBNZC)
- プロフ: ※観覧注意!!
「琉唯(るい)ィ」
「——ん?」
「本当にいたくないのー?」
「……当たり前じゃん」
「——……」
「何その顔。
——だって、あたしは人形だよ? …………遥(はる)の人形だから」
■赤く染まった貴女を見る、
そんなこと言ったって、どうせ琉唯も人間だから。それでも、肩に大きく傷を入れられて、大量の血を流しても変わらない顔色や態度——変わらない貴女が言うことだから、信じてしまうのも時間の問題。本当に彼女は人形かもしれない——と。
にっこり笑う彼女が愛しくて愛しくて。綺麗だなあ、綺麗だなあ、……綺麗だなあ。
ツー……、
思わず彼女の額にナイフをたてて、縦に動かして。傷がまた1つ増えた。その切り傷からは自然と血が溢れ出てくる。それでも琉唯は笑っていた。
「遥はこんなグロテスクなもの見て、大丈夫なんだ?」
「……だって、好きなんだもん」
「グロいもの?」
「うん」
「——悪趣味だね」
……悪趣味で結構。その言葉の代わりに、今度は真っ白で長くて美しい、その脚にナイフで傷をつけた。溢れ出てきた血を、右手の人差し指ですくうように取ると、自分の口に入れた。——ようするに、舐めた。
「しょっぱい——」
そう言いきるか言いきらないかのうちに、琉唯はその眼(まなこ)を閉じた。
私は黙って彼女を見つめる。胸に手の甲に脚に額に、細く頼りない肩からは、真っ赤な彼女の血が溢れていた。
「——貴女、結局人間じゃない」
赤く染まった貴女を見る、ただただ冷酷な私の瞳が。
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