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「なあ、お前俺のこと…………好きか？」

　部活が終わって、さて帰ろうと教室の戸を開いた。そして、机に座っていた斎（いつき）に声をかけようと振り返ると。
　斎が、そう問いかけてきた。小さな声だったけれど、とてもはっきりと聞き取れた。
「好きだけど」
　——当たり前だろ、そう言って、「早く帰ろうぜ」と斎を急かした。
「な、なあ」
　いつもの斎らしくないな、と思った。ぼそぼそと、斎は言った。
「お前の〝好き〟は、友達としての好きか？」


　よく意味が分からなかったけど、笑顔で「おう！」と答えてみた。
　斎は、なにか虚しそうな顔を一瞬だけすると「そうだよな」と、少し躊躇（ためら）いがちに返してきた。



（　ドウイウ「スキ」デスカ？　）