BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【銀魂長編】灰猫の幻想曲【女体化(お通ちゃん?)沖田×神楽】 ( No.68 )
日時: 2010/11/21 17:43
名前: 刻鎖 ◆4PE6.BwxWY (ID: aYwQGfB6)

▼雨 -約束-



 2人が校門を抜けたとき、ちょうどチャイムが鳴った。
「神楽、競争でさァ」
「は!?」
 そのチャイムを聞き、あわててグラウンドを走る。すると、沖田から妙な提案がでた。
 思わず間抜けな声をだし笑われる神楽。本人は気にしたりはしていないが。
「教室まで、競争しようっていってんでィ」
「私になんのメリットがあるネ?」
 そう言ってはやり意味がわからないという顔をしている神楽。
 神楽は全く気乗りしないといったオーラをぷんぷん出していたが、それで提案をおろす沖田でもない。ふっふっふ、と偉そうに人差し指をたてて説明らしきものを始めた。
 ……もちろん、2人とも走っているまんまである。
「お前にもちゃんとメリットありまさァ「嘘付け」お前が勝ったら「金くれヨ」酢昆布やりま「マジでか!」……」
 今にもキレそうな沖田。
 神楽もようやくそのことに気づき、「続きをどうぞ」と促す。
「お前が勝ったら酢昆布5ケースやります。私が勝ったら下校時に傘入れてくだせェ」
 神楽は、酢昆布と聞いてすぐに乗った。
「——じゃ、お先に」
 さすがの沖田も夜兎族相手には余裕ももてないためか初っ端から本気で走る。
 神楽も沖田に続いて走った。


 ——気づけばもうグラウンド、下駄箱を過ぎて階段へ。
 3年の教室へ行くまでは結構道のりがある、特に階段は。
 ぱたぱたぱた……という小さい音でなく、もう女だというのにどどどどどどどど……とものすごい音を出していた。
 これには教師たちも怒った。


「お前ら、遅刻あーんど廊下走った罪で廊下に10年立ってなさい。
 他のクラスの奴らがお前らのせいで迷惑してるの、まあ俺こと銀八せんせーはどうでもいいけど給料さがっちまうからよォ、10年でも100年でも1000年でも廊下にたってろや」
「「……」」
 ——そんなこんなで廊下に立たされている沖田と神楽。
 ……だが。
「というわけで傘入れてくだせェ」
「は? どう考えても私の方が先だったヨ」
 黙って立っているほど大人しい2人ではない。
「何言ってんです。どう考えても私ですねィ」
「私って言ってるアル! この腹黒野郎!!」
「仮にも私は女さァ」
「うっさいヨ! 傘入れる代わりに酢昆布くれアル!!」
「そりゃあルール違反じゃね!?」
 廊下でも静かにできないのかと。
 教室からでもその声はもちろんはっきりと聞こえるわけで。
「おーい、いい加減にしろよー。給料下がるだろぼけ」
「「……」」
 結局2人は口にガムテープ貼られたまんま廊下に立っていた。