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03.　沖田side


分かったのは、あの池田屋の事件のとき。
あんなに楽しそうなアンタを見たの、初めてでしてねぃ。

——万事屋の旦那の、剣の腕に惚れたんでしょう？

分かってまさぁ。
俺が、アンタの眼中にないことくらい。

いつだって、姉上がいたから。

俺だって、姉上のこと大好きでさぁ。
それこそ、アンタに負けねぇくらいには。

でもね。



——俺ぁ、アンタが好きなんでさぁ。




あ、嘘だと思ってくれて構わないですぜ？
俺だって、嘘だと思いてぇや。



なんで、アンタを好きになったんだろう。
俺が、アンタなんかを好きになっちゃいけなかったのに。


——いや、違ぇや。


——俺『なんか』が、アンタを好きになっちゃいけねぇんだ。


こんな自分は、大嫌いだ。