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＃...友達以上、恋人以上

「木原と伊納って、すっごい仲良いよねー」

——昔から、かなり言われてきた言葉。
学校の名物のように、有名で。
段々、恋人説まで。

「ゆうは、いいの？
　そんな噂流れてるけど…。」
「俺はいいよ。
　りんと居られりゃ幸せだからな。」
「そうなの？ごめん、ゆう。おんぶしてー。」
「はいはい、いいですよ、お姫様。」

笑いながら背中を貸すゆう。
足を痛めたというか、無性に痛くて、歩き辛い。
久々にしてもらったおんぶは、とても心地よくて。
体温のぬくもり。
心地よいリズム。
お日様の香りが。
すごく和ませて。
眠くなっていく。
——段々、段々。
……ゆっくりと。

.

「——りん。りん？寝てるか？」

くう、くうと静かな寝息。
隣の家の、りんの部屋。
ベットにゆっくりと寝かせる。

そういえば、昔に。
こんなことをしたなあと。

「——おやすみ、りん」

ちゅ。

短いキスを。
唇に。

昔、やったなあと。

.

「可愛い！二人そろって寝てるなんて、久しぶりね、梨花！」
「そうね。意外と見物よね。由愛。」

二人のお姉様方が、写真を撮ったのは、内緒です。

(　友達以上、恋人以上　)

＃... end