BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

双六 ( No.107 )
日時: 2010/12/31 15:25
名前: 松筆 (ID: Ka5Rg9kR)

オリジナル。よくわからんの。




暇だからすごろくしながら年越ししよう、と彼は言った。
彼の唐突且つ意味不明な発言はいつものことだったので、俺は軽く受け流すつもりだった。
だが、彼が雨の中必死に元の飼い主を探す捨て犬のような目で見つめてきたので、軽く受け流す選択は無しとなった。
ああ、俺はあいつに甘い。甘すぎる。反吐が出るくらいに。

そして、彼は勉強机の引き出しからぼろぼろの画用紙を取り出した。
所々破けていたり、全体的に黄ばんでいたりする。明らかに古いやつだった。
そして、真ん中にサイコロを置いて、彼は「始めようか」と笑う。
どうしようもない不安と恐怖が込み上げてきたのだけども、俺はそれを無視して頷いた。

駒は、適当な紙を千切って作られたもの。もう少し綺麗に千切ればいいのに。
すごろくは、幼い頃自分で作ったものらしい。だから、字が汚かった。

うわ、これ、「さいしょにもどる」多過ぎねーか。難易度高過ぎだろ。
俺はらしくなく、へらへらと笑い続けていた。
怖かった。よくわからないけれど。

しばらくして、彼の駒が中盤を越えた時。
いーち、にい、さん、しい…………あー、「さいしょにもどる」だ。
彼はとても悔しそうに、泣きそうな顔で言った。
今まで二人とも、「さいしょにもどる」を引き当てていなかったから、悔しさも倍増だ。

そして、彼は駒をスタート地点に置いて、こう言った。
最初に戻ろう。もう、これ以上進めないんだから。
俺たちは、最初に戻らなきゃダメなんだよ。

どこかから鐘の声がする。
でもそれよりも、彼の声のほうが大きかった。

最初に戻ろう。ねえ。
泣きそうな顔をした彼は俺に軽い口づけをした。
その勢いで、俺は押し倒される。
すごろくの中の世界はくしゃりと歪んでしまった。

「最初に戻ろう」
「終わりじゃなくて?」
「最初に、戻ろう」

ああ、わかったよ。
そう言って俺は、彼の愛撫に応えた。





×-×-×-×-×
すごろく全然活用されてねええええええ!
意味不明だし駄文でごめんなさいorz