BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re:  お正月企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中!! ( No.115 )
日時: 2011/01/04 16:50
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)



           〜ブレザー服〜


奈落 良子—

いや、奈良は・・・融けそうなくらいにまぶしい夕日を見つめていた
放課後の教室でひっそりとした空気になっていたし宿題も終わっていれば京都と埼玉は二人だけ吹奏楽部に呼び出されていたので暇だった。

携帯電話を取り出すとメール画面に切り替える、
たまに小学生時代に親しかった友人とかにメールする時があるのだが今日の一番多いメールの相手は小学校6年生のころに知り合った男子生徒だった
たまに遊びにその男子生徒と行ったりすることもあって親しい存在であった

そしてメールが急に受信されると少し舌打ちしそうになったがその男子生徒からだったのですぐに受信メールの一番上を押した、
そこには衝撃的な内容が入っていたのは間違いないだろう・・・


『俺・・・奈落ちゃんが好きだ、付き合ってくれないか?』

エッと思った時には複雑な気持ちに襲われていた、
たしかに公園とか映画に観に行ったことがあったが恋愛感情が生み出されるとは思わなかったのだ。

しかもあんまり美人さんみたいな子はいないってこの前偶然見た掲示板に書いてあったし、きっと奈良のことも美人ではないと思っているのかと思った

そしてタイミングの悪い時に誰かが入ってきた・・・
先生だったらヤバい、こういうことは見つかったことはないが見つかったら取り上げられてしまう・・・


「・・・奈良?どうしたの?猫の死体でも入ってたの?」

「そ、そんなことないって・・・和歌山さんもどうかしたの?」

この学校のブレザー服が異様に似合っている童顔少女、和歌山はニコリとそんな半分恐ろしいことを言うと奈良の隣の席に座る
元々和歌山の席は今、奈良が座っている席だったがとりあえず隣に座った。

携帯を見ても何も思わなかった和歌山だったがメールの内容に少しだけあわてていた、
ヤバいぞ・・・と

実は奈良の事を恋愛対象にしている和歌山はそれとなく自分より背が小さくて、それでもしっかり者の奈良の事が好きだった


「・・・あ、わ・・・私、告白されちゃったんだよね・・・///」

「そ、そうなんだ。よかったね^^」

「今、返事出すんだけど・・・緊張する〜!」

恋愛対象が目の前で遠のくとは思わなかった和歌山はそれ以上にあわてていた、
このまま告白しても自爆するかもしれないし・・・
でもこういうのは言わなきゃ後悔することくらいは分かっていたのでとりあえず和歌山は奈良を見つめる。

いつもの天然で元気で明るい和歌山とは違うと思った奈良は何かを思ったのかメールの操作をやめて見つめる、
茶色い瞳が少しだけ泣きそうになっているよりもあわてている感じを思った時に奈良から沈黙を破った


「・・・どうしたの?気分悪い?」

「あ、あのさっ・・・私、奈良の事・・・その・・・

                       好きだよッ///」

そんな言葉に一瞬奈良は驚いた顔をしたが、すぐに少し冷静になったのか笑みを浮かべた。

ブレザー服が教室の窓を開けていたからか風が吹いてから少しだけスカートが揺れていた


「そっか、私も好きだよ^^・・・だって和歌山さんってこんな顔するんだなって思うとブレザー服じゃない和歌山さんとか見たくなっちゃうもん、ね?私、だから付き合っちゃうよ〜^^」

「な、奈良ぁ・・・あ、あり、ありがとうぅ・・・」

和歌山の瞳からは一筋の涙からボロボロと大粒の雨のような涙がふってブレザー服のスカートに少しだけ付いていた、
少し奈良は戸惑ったがギュッと和歌山を抱きしめて頭をなでていた
その涙が奈良のブレザー服にも少しだが付いた。

放課後の沈黙の教室には喜びと安堵の涙の音がした


「ほら、もう泣かないよ〜^^」

「う、うん。ぐずっ・・・本当にありがとうね、良子^^」

「どういたしまして、蜜柑ちゃん^^」

「あれ・・・そういえば何が ありがとう なんだっけ?」

「え〜、蜜柑ちゃんは私に告白してきたんだよ〜^^」

「・・・ま、マジか///」

これには凄く照れて頬が赤くなってしまったしまった和歌山なのであった