BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re:  お正月企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中!! ( No.116 )
日時: 2011/01/04 17:44
名前: 月女神 (ID: GlvB0uzl)

あけましておめでとうございます。久々に来ました!
という訳で、今年1番の奴を書かせていただきます。

【お姫様ドレス】(オリジナルキャラ)


「なぁ、椎名。これ、来てくれないかなぁ?」

と、ぼさぼさの黒髪を持つ眼帯少年——王良空華は、ドレスを片手に友人に訊く。
友人である、茶髪の少年——椎名昴は、怪訝そうな表情を浮かべて空華に訊き返した。

「どうしてだよ。つーか、それ女物じゃん」
「お前に来てもらいたいんだよー、頼むよー」

空華は必死に昴に頼み込んでいた。
その必死さに負けたのか、昴はため息をついて答えた。

「着方。分からないからさ、着付けして」
「! よぉっしゃ! 任せてよ!」

空華は嬉しそうに言うと、飛び上がった。よほど嬉しいのだろう。
昴は再度ため息をついて、来ていた制服に手をかける。
流石に1月ともなると、外での着替えはやはり寒い。

「王良、寒い」
「まぁ教室だからね。ハイ、これ来て」

空華は昴の言葉を軽く受け流し、ドレスをかぶせる。
息が一瞬、詰まった。だけど、細い体にドレスはぴったりと合う。
昴の肩まである茶色の長髪を櫛で梳き、綺麗なピンで留める。
空華の優しい手つきが、昴の髪を綺麗に飾って行く。
やがて、空華の手は昴から離れ、昴を完璧なお姫様にした。

「うわ、うわ。すげぇ綺麗!」

空華は驚いた様に言う。
昴は鏡を見て、これが自分かよ……とつぶやいていた。
悪い気はしない。だって、空華が全てやってくれたから。
本当は嬉しかった。
いつも、クラスの片隅で空をボケーと眺めている空華と、クラスの中心で馬鹿やっている昴とは、少し違うから。
こんな形でしか、話す機会などないから。
だから少しだけ嬉しかった。空華が自分から話しかけてくれたから。

「綺麗だよねぇ。女の子だったら、俺好きになっちゃうかも!」

へらへらと笑う空華。
昴はピコンと、何かを思いついた。

「お姫様ならさ。俺の言う事、何でも聞いてくれるよね?」
「えー? あぁ、まぁそんな格好させた訳だから、何かおごるよ」

そんな物じゃないんだ。

「答えてよ。何でも聞いてくれる?」
「……しょーがないな。ハイハイ。お姫様の仰せのままに」

空華はそう言って、笑顔を浮かべた。
昴は少しだけうつむいて、細々とした声で言葉を紡いだ。

「じゃぁ、俺の事を好きになってよ」

真っ赤に染まった教室を、昴の言葉が反響する。
空華が、驚いた表情をするのが見えた。
やっぱり——男がこんな事を言うなんて、馬鹿げている。

「あ、あー。い、今の無し! 無し! な? やっぱ、何かおごってもらおうかなー」

紛らわすように昴は、あれやこれやと言うが。空華の時は、未だに止まったまま。
本格的にヤバイ。本当に。

「いや、悪かったって。本当、冗談のつもりなのにさぁ」

昴は必死に弁解するが、空華はまだ止まったまま。
もう嫌だ。何こいつ。

「……それってさぁ……。本当に、冗談?」
「……冗談、のつもりだったんだけど」
「嘘だ」

空華は、静かに短い単語を吐き出した。

「あの時。本当に必死だった。本当は、好きなんじゃないの? 俺の事」

昴は、何も言い返すことなく、ただ黙っていた。
だけど、何か言わなきゃいけないと思い、言葉を紡ぐ。

「好きだよ。でも、俺さ、馬鹿だから。男なんか、しかもお前なんか好きになっても、迷惑だし」
「迷惑じゃない!」

空華は叫んだ。同時に、昴はおびえたように震える。

「俺も、お前が好きでっ……。でも、なんて話しかけていいか分からなくて……」

泣いている。声が震えている。
昴は、ギュッとお姫様ドレスのすそを握った。

「こんな事でしか、話しかける事が出来ないから……」
「分かった。もう良いから」

昴は空華の言葉を制し、首を傾げて訊く。

「つまりさ。俺ら、両想いって奴でしょ?」
「まぁ、そう言う事になりますね」
「じゃぁ良いじゃん」


最終的結果→お姫様は、騎士に惹かれるのでした。


※何ですか、このコスプレ小説?!!!
 私が書くと見事なほどに、ずれる! ずれる!
 すみません……。こんな駄文あげてしまって……。


名前:月女神
読み:ディアナ
自分のスレッドの題名:忍、恋愛涙壱、弐
希望するお題:『甘酒』『墨まみれの笑い顔』『割烹着』
一言:また3本、頑張って書きます!