BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re:  お正月企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中!! ( No.144 )
日時: 2011/01/11 21:49
名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)




            〜愛の迷宮へ〜


栃木はただ授業中だからか抜け出して屋上へと歩いていってた、どうせ誰もいないだろうし・・・
赤いめがねが少しだけズレたので直しているのを屋上の時計台の上に上っていた人が見ていたのを見て栃木は少しだけ恥ずかしかった、でも自分だけ屋上にいたわけではないとは思わなかったので時計台まで走っていった。

どうせ先生も見回りには来ないと思ったしグラウンドには誰もタイミングよくいなかったので栃木は軽くヘラッと笑った
そしたらクラスメートの千葉がゲーム機片手に手を振ったので驚いて栃木は時計台に登る、これでも体力には自信があるらしい栃木はどんどん登っていくと三十秒ほどで千葉のところまで登りきった


「・・・千葉!どうしたの?サボりって珍しくない!?どうしたの?ゲーム??」

ニカリと少し化粧をしていてコロンの匂いを漂わせている栃木よりも幼い笑顔をした千葉は秘密だよ?と指でシーッというサインを出した
そして指きりげんまんをすると栃木よりも小さな声で屋上の時計台にいた理由を言った、千葉はサボリはそんなにしないが早弁が多いといわれているというか完全に先生にまでバレている。

いつのまにか栃木は千葉が可愛いとかそういうのではないが自分とは違うものを何か持っているんだなと思った
一応勉強も努力をしているのか中学一年生のときよりも成績が少しずつだが上がっている、それに比べて栃木は親の扱いも酷いし成績も同じくらい酷いものになっていることは知っていた・・・それでもう諦めているような感じ・・・
憧れているんだろうかとか思ったが、ただ栃木は千葉の話を聴いた


「いや、それとなく・・・てか、理由ないな〜」

「そっか。でも、私がいたことは知ってたでしょ?」

「・・・うん///」

すこし照れた表情でまたニカリと笑った千葉に栃木は惚れたようになっていた
今日はとりあえず授業に途中でもいいから戻ろう金とか何とか思うと栃木はさよなら〜と笑顔のまま片手で手を振りながら時計台から地面に戻とうとした、その時だった
ズサッと言う音と共に栃木は一瞬落ちそうになった、いやもう落ちているのだろうかと思ったときには・・・千葉が手を掴んでいた。

手も栃木より小さくて幼い感じがするが、ギュッとしっかりと握られている手に栃木は思った

—この子、気に入ったかも。


「・・・大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ^^」

ニコリといつもの笑顔を見せると千葉がそっと手を離した
この子に引きつけられるように惚れてしまった栃木だったが決してそんな感情は顔に出さずに笑っているしかなかった、東京に栃木は自分の過去を話したことがあった
最初は都会にある小さな私立の学校に通っていたのだが不良が治らなくて栃木は退学させられる、半年と二ヶ月ほどで・・・。

栃木は東京や他の生徒のような人には出会ったことがなかったらしく最初は驚いていたがこういうものもあるんだなと受け入れていた
千葉はじゃねーと手を振ると笑ってくれた、栃木は心の中で思った


『・・・アタシは、千葉が好きなんだ・・・誰もがアタシを認めてくれたし、受け入れてくれたけども・・・千葉とは何か複雑な関係と言うものに受け入れてもらいたい・・・』

栃木の初恋だということは誰も気がつかなかった
素直に自分の気持ちを白状できるのはいつなのかッ!


『貴方と一緒に私は愛の迷路へ・・・』


                             終わり