BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re:  お正月企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中!! ( No.152 )
日時: 2011/01/22 18:54
名前: つかの ◆QF5oszRdpY (ID: uLF5snsy)


「また会いましょう?
 ——赤い瞳のアリスさん。」

#...イヤリング (にょた初代グリレ、グリーン大人っぽい、2歳年上)

「レッドちゃん、いらっしゃい」

ふんわりと花や葉っぱの香りが漂う。——えりかの匂いだ。
落ち着く香りと、落ち着く庭園。
樹の根本に座って、えりかが分厚い本を開く。
アタシには理解できないけど、面白い内容の本。
読んだこともないけど、えりかが選ぶのは、面白いのだけ。

「アリスは、穴へと落ちて行きました。
 ——ここまでよ、今日は。」
「あっ、明日聞かせてくれる?」
「ええ。この時間にいらっしゃい。」

優しい笑顔を浮かべて、そう言うえりかは、お姉ちゃんみたいで、大人っぽい。
さ、一眠りしましょう。とえりかは瞳を閉じる。
——アタシは眠くないな。よし、寝たふりをしよう。

「——ブイッ、」
「……?イーブイ?どうして…、」

ブイッ、と嬉しそうな鳴き声をして、どこか遠くへと去る。
——その奥は、迷いと茨で有名な森!危ない!

「イーブイッ!駄目よ、その奥は!」

"待って"という前に、アタシの足が勝手に動いて、イーブイを追う。
ああ、もう!ひらっひらの赤いワンピースが邪魔よ!
——なんていう思考を巡らせながら、イーブイを追う。

——……

「ブイッ!」

ガサガサッと茂みが揺れ、茨が妙に綺麗に分けられた一本道の向こう側に、小さな洋館。
一時間以上経ったんじゃないと思う程走った気がする。
洋館の手前には、綺麗なガラス張りの部屋のような何か。
そう、まるでお茶会をするような。

「イーブイ。戻ってきたのね。
 ——あら?彼方、どうしたのかしら、」
「あ、…えと。
 イーブイ追ってたら…、此処に」
「そう。まあゆっくりしていきなさいな。
 紅茶を淹れるわ。」

イーブイが胸に飛び込んだ女の人。アタシと二歳ぐらいしか変わらない気がする。
茶髪の跳ねている髪は腰まで伸びていて、黒と紫でまとめられた、シックなロングワンピースと小さな帽子。
緑色の瞳がとても綺麗。

「彼方、名前は?」
「れ、レッド!」
「そう。レッドね。
 私はグリーンよ、」

——グリーンと名乗った女性は、礼をする。
ふふんと綺麗な歌声が響き、ほんのりといい香りが漂う。

「ダージリン。渋味があっていいわ。
 ——好ましい刺激的な渋味。」
「ダージリン!えりかがよく出してくれて、アタシも好き。」

ダージリンの紅茶を、丁寧に淹れる様子も、スコーンやケーキなどを3段のティースタンドに並べる様子も、綺麗だった。
えりかも綺麗だけど、違ったもっと綺麗、だと思う。

透明な琥珀色が輝き、大人っぽさを感じる。
全て準備できたと思う頃に、こちらを向いて問う。

「ストレートが一番美味しいのだけど、ストレートで平気かしら、レッド。」
「あっはい、ストレートでお願いします!」

.

「あら、もうこんな時間よ。」
「あっ——まずい!えりかが心配する」

あれからグリーンと仲良く話していたらあっという間に時間は過ぎる。
別れるのは寂しい、というアタシの心を読み取ったのか、レッド、と声を上げる。

「——紅の薔薇のイヤリングをあげるわ。
 代わりに彼方の若葉の四葉のイヤリングを頂戴。」

( また会う時は、これを目印にして )


あああ難しすぎ。アリスパロ萌えるのに…、萌えん。