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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: バレンタイン企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中! ( No.175 )
- 日時: 2011/02/05 20:36
- 名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: 9yCTBNZC)
——バレンタインデー。毎年毎年あいつはたくさんのチョコを貰ってる。私はあいつにあげたことなんてなかったけれど、でも、今年はあいつにと思って作ってみた。
兄ちゃんは私の姿を見て笑ってたけど、蹴りとか入れたり殴ったりしても兄ちゃんには敵わないってことはわかってるから黙っていた。
朝は早く登校して、こっそり引き出しにでも入れておくつもりだった。
……なのに。
「なっ、なななななななんでこんな早くお前が居るアルカ……っ!!」
下駄箱にあいつがいた。
思わず悲鳴をあえて、がくがくと震えながら指をさしてみる。
あいつは、呆れたような顔をして「それはこっちの台詞でィ」と、言い返してきた。
* *
毎年毎年、下駄箱で足止めを食らっていた。知らないやつらがあっという間に集まってきて、正直うざい。
だから今年は早めに登校してきた。
……が。
「……チャイナ?」
桜色の髪をしたぐるぐる眼鏡酢昆布チャイナ娘。「なんでお前が居る」と訊かれると、むっとして言い返してやった。
だが、あろうことかチャイナは頬を桃色に染める。
「な、なん「お……おらヨ」
何かと思い、顔を上げると。
下手くそにラッピングされた、でも可愛らしい小さな赤い小袋。
今一状況が読めずに黙っていると、チャイナは俺の手にその袋を押し付けると、上履きを履いて教室のほうへと走っていった。
* *
袋に添えてあった手紙、あいつはもう読んだかな。
* *
〝義理じゃねーからナ!〟
* *
神楽は、授業に全く集中できず。
総悟は、手紙を読むと満足げに屋上で眠った。
* *
卒業まで、あと、約1ヶ月。
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