BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

§これは決して危険物ではない ( No.206 )
日時: 2011/03/26 19:07
名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)

銀魂/♂神楽*沖田

//愛はある


「サディストおおお! ちょっとこっち来るアル!」
「……何でィ、朝っぱらからうるせえ」
「いいから早く!」

バレンタイン当日。
教室から出て。
沖田は早めに登校してしまった自分を恨みながら、神楽の後ろについていく。
——自分より少し小さい背中。
——自分と同じくらいの髪型、桜色。
早歩きな神楽に薄ら寒いものを感じながらも渋々ついていくのだった。


「——んで? いったいどこまで行くんでィ」
「まだアル」
「だから、どこまで……って」

体育館裏。
一昔前の不良どもの溜まり場だったところ。
——おおう、いきなり喧嘩でもすんのかコイツぁ?

そんな恐ろしい事を考えつつ、沖田は聞いた。

「こんなとこで何すんでィ。喧嘩はやらねーぜ。今日はばれんたいんだからな」

正直、バレンタインデーがどうとか、知ったことじゃない。
ただ喧嘩になるのは嫌だったのだ。
——自分でもよく分からないけれど。
こんな日に喧嘩なんて、したくない——と、思ったのだ。直感的に。


「これ」
「——ん?」
「……今日、バレンタインなんだろ? やるアル」

ちょこん、と神楽の手に収まるそれは。
——まぎれもない、ちょこれーと。

「あり? ……これ、って……」
「手作りアル」

はにかみながら、頬を赤らめている神楽はとても可愛らしいもので。
自分も顔が熱くなるのを感じながら、沖田はふと考える。

——コイツ、お菓子なんて作れたか……?

「え、ちょっやばくね? これやばくね? もしかしなくてもヤバくね?」
「何言ってるアルか。そんな危険なもの入れねえアル」


綺麗な小箱に入ったそれは。
——とても、禍々しい形質で。

( これは決して危険物ではない )

そう言い張る彼に、身の危険を感じた沖田だった。


  ◆


はい。思いっきり遅れました←
本当はもっと早くあげてたけど、こっちにあげるのを忘れてたというorz
ああああああまだあといっこあるううううう!