BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ホワイトデー企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中! ( No.208 )
日時: 2011/03/28 00:37
名前: つかの ◆QF5oszRdpY (ID: pnP4WqN3)


#...人魚[3]

「ったくよー、ネルは何で来んだよ」
「——当たり前じゃない。リンが好きなんだから」

ふふんと自慢げに微笑むネル。——亞北ネル。
亜種と呼ばれる電子歌姫[ボーカロイド]。
金髪で、一つ結びで結わいていて、ロボットだから当たり前だろうけど、整った顔付き。
上から目線のような威張った口調が俺は苦手だ。
これもマスターのせいか?っつうかマスター何体持ってんだろう。
あーでも。マスター金持ちか。

「お前諦めろよ。俺はあんたが好きじゃない」
「……レンの何処がいいのかしらね。」
「決まってるだろ。全部。」
「ふうん。どうせ付き合っても損するわ。"ネルにしとけば良かったー"ってね」

俺はお前と付き合ったら後悔するだろーな。
——レンにしときゃよかったーってな。

「言っとくけど、恋愛は手段を選ばないわ。アタシだけの物になってくれなきゃ、レンだって知らないわ」
「最低最悪女。」

「けっ。勝手に言っとけよ。レンは俺が守るし、」なんてよくある台詞を吐き捨てる。

.

「ああもうムカつくわ!
 レン……そうねえ。いいこと思いついちゃったぁ」

ふふん。あの子、昔っから気に食わないのよね。
マスターに可愛がられて、それだけでも憎たらしいのに、あの声!甘ったるい声!気持ち悪いわ!
そんでもってアタシのリンを奪うわけよ!

——そんな悪い子には、悪戯するわ!

.

「あっ、レン!」
「どうしたの、ネル」

にこり、と微笑みかけてくるネルは、すごく可愛い。
すっと差し出したのは、可愛いハート形の飴。

「これね、おまじないしてるの!」
「そうなの。さっそくいただきます」

もぐ、と舐める。
——あれ、気持ち悪い。
眠気もする。

( その時、人魚姫は眠ります )

Re: ホワイトデー企画 //薔薇百合作品(オリ版権問わず)募集中! ( No.209 )
日時: 2011/03/28 00:39
名前: つかの ◆QF5oszRdpY (ID: pnP4WqN3)

#...人魚[4]

「——ン姉様!レン姉様!」

バイリンガルボイスが耳に響く。
微かに瞳を開けると、薄桃色の髪と青い瞳、そして大きめの胸が見える。
——ああ、るかちゃんだ。

ってことは、ますたーの友達来てるのね。
男なのに、可愛らしい声をしていて、たまに歌ってる。
それでもって、恋人同士。

「……?」
「姉、様。声は?」

さっきの綺麗な顔を歪め、悲しげな顔をする、るかちゃん。
——あれ?

「……!」
「大変、マスターっ!」

私が驚いていると、ますたーの方を振り向き、そう告げて走るるかちゃん。
ますたーに説明が終わり、私の方へ駆け寄ってくる。

「おい!レンっ?声出してみろ」
「——…。」

どうしよう、と口パクしてる様子が多分皆には見えてる。
りんは、大丈夫だよね。

.

「なぁ、ネル。」
「どうしたのよ。アタシに惚れ直したの?」

冗談交じりに言ったネルを睨み付ける。
びくり、と一瞬震えるが、何よ、と強気な声で言う。

「お前だろ……?」
「何がアタシなのよ」
「とぼけんな!
 ——レンの声、奪っただろ」

図星なのが見え見えである。
が、ネルは何も知らない様に振る舞う。

「そうだとしたら、何なのよ」
「お前は何が欲しいんだよ」
「あら。そんなの簡単よ。
 ——リンが、アタシの彼氏になってくれればいいのよ」
「それで解決するんだな?」

( 彼女の声は戻り、 )
( 彼の愛は消えて、 )

( これで良いのよ。 )



おしまいと考えていてください…、あれです。飽きたのでorz
飽き性で、申し訳ございません!