BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【薔薇百合短編募集中!】 クリスマス企画 【オリ版権問わず】 ( No.24 )
日時: 2010/12/05 17:55
名前: 刻鎖 ◆4PE6.BwxWY (ID: aYwQGfB6)

▼ばたふらい



(美しいものは儚い命、)

    (それは、きっとあなたも同じ)

(いつかはわたしから消えてゆく)

    (それは、きっと蝶々のように)



 * *


「? どうしたのだ」
「ん、何でもないわ」

 そう、なんでもない。

「そんなことより」

 すっ、と差し出すのは赤い包み紙にくるまれ、金色のリボンで少しデコレーションされた手のひらサイズの何か。

「クリスマスプレゼント」

 一言そういうと、目の前の少女はぱあっと明るい表情を見せる。
 好奇な目で、「あけてもいいか?」と可愛らしくたずねてくる。——もちろん、「ええ」と微笑んで返した。

 赤い紙を丁寧にはずす姿。

 とても可愛らしくて、思わず見とれてしまった。
 が、プレゼントの中身をみたときのあなたの顔で我に返る。
 あまり、「嬉しい」という言葉とは一致しない顔だったから。

「……どうしたんですの?」

 少女は、プレゼントの中身をじっと見つめて黙っていた。

 ——……蝶の標本。


「気に入らない?」


 ふるふる、と少女は首を左右に振る。

「何か、可哀想だよな」

 ……。
「そう?」

 わたしは、美しいと思う。


 どうせ消えてしまうものより、こうやって美しくその姿を保っているほうが幸せだと思う。

「綺麗だとは思いませんの?」
「いや、綺麗さ。綺麗だけど——」

 やっぱり、あなたは美しい。



「短い一生の間で、輝いてみせようと努力する姿も、わたしは美しいと思うぞ」



「——……そうね」

「もちろんその標本は大事にするぞ」
「あたりまえでしょ」
「あたりまえなのだ!」





 * *


 あーたん×なぎちゃん。
 あ……何かすいませんね←。