BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【薔薇百合短編募集中!】 クリスマス企画 【オリ版権問わず】 ( No.51 )
日時: 2010/12/17 21:59
名前: 刻鎖 ◆KokuskA/To (ID: aYwQGfB6)

■マフラーぐるぐる、君といっしょ。



 所有者に恋してしまうのは、いけないことなのだろうか?

 同性っていったって、わたしは精霊だから女の姿でいるだけで正式にメスなわけではないし。

(〝牡〟羊座、ですもんねえ)


 * *


「お呼びでしょうか」

 ルーシィに呼び出されると、戦闘時でもなんであっても少し嬉しいと感じてしまう自分が、いつの間にかいたのだった。

 最初は、カレンやエンジェルの酷い扱いからだろうと思っていた。
 その〝憧れ〟は、いつ頃からか〝想い〟になる。

 ルーシィに呼び出されるときも、
 ルーシィに微笑まれるときも、
 ルーシィに見つめられるときも、
 ルーシィに声をかけられるときも、

(それだけで——)

 胸がきゅんとする自分がいた。


「うん、ちょっと買いものに付き合ってもらおうかと思って。いいでしょ?」

 ほら、そうやって見せるひとつひとつのしぐさが、わたしの目を釘付けにする。

「はい……っ」


 * *

「まふ、らー……ですか?」
「えへへっ、もう冬じゃない。アリエスも、どう?」

 いろいろなデザインのマフラーの並ぶ列で、ルーシィの足は止まる。

 差し出されたクリーム色の可愛らしいマフラー。ルーシィは強引にもアリエスに渡した。

「レジまでもっててね」


 * *

「嬢ちゃん危ねェぞー」
「あれ、隣にいるのいつもよりでっけーなァ」

 いつものように帰り道を歩くルーシィ。その隣にはアリエスが。


「……本当に」
「え?」

「本当に、冬に備え、という理由だけですか? マフラーを買ったのは……」


「…………」





 * *


 わかってる。
 ずっと貴女をみてきたんだもの。

 わかってる。
 でも、貴女に貰ったこのマフラーは、
 大事にします、

 ——例え、貴女が想いを寄せる相手が関わっていたとしても。

 ——わたしは、大事にします。……貴女を愛しています。