ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

＠　魔女っ子


「何なんだこの状況……」

　うんざりと溜め息を付く。出来るだけ奴らの耳に聞こえる様に。でもきゃいきゃいはしゃいでる奴らにあえなく声は届かず。
　……うん、お前ら人の気持ちも考えやがれ。グレるぞ。

「Wao！良く似合ってるよアーサー！」
「ああっバッテリーが切れました！充電をしないと！」

　ぽんぽんと俺の肩を叩くアルフレッドの手を全力で払う。隣ではビデオカメラを持ってあたふたしてる本田。
　バッテリーが切れたのが不幸中の幸いだ。俺にとっての。
　説明しよう。単刀直入に言うと、俺は現在本田の持って来たコスプレ衣装（とんがり帽子に黒いワンピース）に着替えさせられた所だ。……俺がわざわざ着た理由？うっせーなどうでも良いだろ。
　普段こういう系の方々と喋っているアーサーさんなら似合うだとかうんたらかんたら。

「よお！何やってんだ眉毛！」
「うっせー髭死にやがれ！」
「え、ちょっ酷い！お兄さん泣いちゃうよ!?」

　一番顔合わせたく無かった奴も出て来たし。なんだこの地獄は。お願いだからピクシーさんとか助けに来てくれ。
　わざとらしく落ち込むフランシスを本田が慰める。そして思い出した様にこっちに向き直った。


「いや、それにしても似合いますねアーサーさん。……というか何で着てくれたのですか？」
「……う、うっせー！別にお前のためなんかじゃねーんだからな！」

　思いっきり叫んでやったら本田がカメラを持ったまま倒れた。



＠

　(アーサーさんがツンデレた……！)