BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 銀魂中心−版権雑食小説/リク募集(大会参戦・空空様誕プレうp ( No.164 )
日時: 2011/08/30 17:52
名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: LsxQHR/F)
プロフ: 曲:ミ.カ.ン.セ.イ/A.A.A




夕暮れ、自転車での帰り道。
ふと空を見ると、もう暗くなってきていて。

——————君の街も、夜が降りている頃だろうか。


些細な躓きでさえも、僕はとても不安になってしまう。
ああ、君もだっけ。
君も僕も多分、似た者同士なんだね。




「・・・」



急に、君の声が聞きたくなって、鞄の底を探った。
なかなか見つからない携帯を、それでも探り続けていたら、鞄から一つの手帳。

ページを捲ってみると、何だか懐かしいことがいろいろ書いてあった。

「ふふっ・・・初めてデートした日とか書いてある」

他にも「花火大会」「クリスマス」「誕生日」・・・。
そして、最後のページには——君の名前。


僕はそれを指でなぞった。
少し埃臭くて、笑みがこぼれた。



本当は、声にならない声を伝えたくて、胸が軋んでいるんだ。
君だってそうだろ?
でも、だから。
ほんの少しでもいい。
その痛みを__

__分け合える強さを手に入れたいんだ。
ただそれだけ。



どんな大きな出来事だって、ほんの小さな想い達が重なり合って初めて動き出すんだよ。






明日なんて分からない。
寂しがりやな僕らは、幾つもの夜を越えて大人になっていく。


いつか君が僕を思い出したとき、繋いだ手の温もりがまだ残っていたなら

もう一度、握り返してほしいな。



僕らはまだ未完成。
噛み潰したオレンジさ。
上手く言えないことばかり拾い集めて。
君がいつか巻き戻す
永遠のフィルム −記憶− の中
色の褪せない日々を重ねていたいから










今、君に見せてあげたいよ。

この、オレンジ色の空を。

























(僕らはまだまだ、大人なんかじゃない。)
(噛み潰したオレンジみたいに、ぐちゃぐちゃで。)
(背伸びして、大人ぶって。難しい言葉ばかり拾い集めているけど)
(君がいつか思い出す記憶を、僕はずっと覚えているから)