BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

鳳×宍戸 宍戸総愛され自己満 (庭球王子) 宍戸誕 ( No.166 )
日時: 2011/09/29 22:37
名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: LsxQHR/F)
プロフ: すすろてっぱい はぴば! ナチュラルふぉも注意。

「あ、おい宍戸」
「ん?何だよ跡部」
「お前今日誕生日だったな。おめでとよ」
「おー、サンキュー」


≪早い話がすすろは長太郎と俺の嫁≫



「亮!お前今日誕生日だろ?おめでとよー!」
「おめでとー宍戸ー!これプレゼントだC!」
「おう岳人!ジロー!ありがとよ!」

「宍戸。お誕生日おめでとうな」
「サンキュー忍足っ!」

「おめでとう、宍戸」
「∑お、おう。ありがとよ、滝」

「・・・おめでとうございます、宍戸さん・・・。」
「樺地!ありがとな!」

「・・・おめでとうございます。」
「おーおー!サンキューな日吉!」
「・・・いえ」


…………。
どうして今日は皆してそんなにも宍戸さんに優しいの?
俺日吉が誕生日を祝ってるところなんて見たことないよ!
宍戸さんに負けてレギュラー落ちした滝さんですらもおめでとうって言ってるし……。
どうしよう、皆に邪魔されて俺まだ宍戸さんに『おめでとう』って言ってないよ!


と、そうこうしているうちにその日の部活時間は終わりを迎えた。
いくら常識から逸脱した氷帝学園とはいえ、中学生である彼らを夜遅くまで学校に残すわけにはいかない。
普通の学校よりは跡部の要望により終了時刻は遅めだが、それでも全国レベルとなると常に時間がない。

・・・はずなのだが。


「なんでそんなにも宍戸さんの余裕を突いて、お祝いできるんだろう・・・」

何故か氷帝学園テニス部の面々は、宍戸の時間の余裕を綺麗に突いて、祝福していた。
これで宍戸の誕生日を知っている人物は、榊と鳳の二人だけとなった。


「そういやさー、榊先生も亮の誕生日知ってるだろ?祝ってもらったのか?」
「ああ、今日の0時きっかりにメールきたぜ。

 [誕生日おめでとう。行ってよし]

 って書いてあった。」


!?

「おい、何やってんだ長太郎!帰るぞー!」
「はい、宍戸さん・・・」

               *



「まだ7時だってのに暗ぇなー」
「そうですね、もうすっかり秋です」

彼、鳳長太郎は、先輩であり恋人である宍戸亮と帰路を共にしていた。
今日は愛する恋人の、付き合ってから初の誕生日。
これまで数多の試合や練習で苦楽を共にしてきた鳳と宍戸にとって、これは一つの大きなイベントであった。

「(どどどどうしよう!宍戸さんにまだ言えてないよ!)」

だが大事なときに限って急にヘタレと化す鳳は、まだ定番文句ですら言えていない状態であった。
と、何かいい言葉は無いかと思考を駆け巡らせていられる時間も終わりに近付く。

そこの角を曲がると、宍戸の家はすぐだ。
(ついでに向日と芥川の家もすぐだ)
今まで他愛もないことを常に喋り続けていた宍戸も口を閉ざす。

「・・・。・・・じゃあな、長太郎!」

宍戸は長太郎に向かって軽く手を振りながら、角を曲がろうと歩き出した。


「宍戸先輩!」
「?・・・長太郎?」


そこで鳳は、愛する恋人を引き止めた。



「宍戸先輩!あのっ・・・お誕生日!おめでとうございます!」

飾らずに、ただ真っ直ぐに伝えたその言葉。
宍戸の目から、一本の線が落ちた。
だが、二人の口角が下がることはなかった。



「忘れられたかと思ったじゃねえか、長太郎」
「激ダサ、ですね」