BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

#【堀尾×リョーマ】 めりくり! ( No.205 )
日時: 2011/12/24 15:42
名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: 6BaI/18r)
プロフ: メリークリトマス試験紙   \ イヴ! /

「今日の練習はここまでだ。明日の部活にも絶対遅れんじゃねえぞ」
「はい!」
「よーし、解散!」



今日は12月24日、クリスマスイヴ。
三年生も引退し、受験を控えている。今の部長は海堂先輩、副部長は桃ちゃん先輩だ。
U-17合宿も終わり本格的に新青学テニス部として始まってから数ヶ月。
先輩達がいないという不安、王者立海からの王者奪還を経た次代へのプレッシャー、
俺たち残された者たちへと数々の受難が降りかかってくるなか、どうにかやっとここまで辿り着いている。


ちなみにクリスマスを明日に控えた今日、今、俺堀尾聡は自分の仕事をこなそうとしている真っ最中である。


「越前! 俺と買出し行こうぜ!」





≪ 柊の棘 ≫






明日は桃ちゃん先輩と菊丸先輩、不二先輩らの提案と企画でクリスマスパーティが開かれる。
他の三年生の先輩達も生き抜きとしてやってくるらしい!
卒業前の最後の思い出作りとして準備に勤しむ、現青学テニス部一同。
珍しく海堂先輩までもが協力しているなか、一人だけ木の下で休む白帽子がいた。


「……越前のやつ」


少しだけ顔を顰めると、すぐにカチローがそれに気付いた。
そして俺の視線の先を見つめ、その目線が何に向けられているかも気付いた(ような顔をした)。

越前の仕事はまだ終わっていないっての!
カチローのカツオに目配せをし、越前のもとへ近寄る。
普通に座っているように見えるが、俺の予想だと確実に寝ている。
恐らく、帽子がやや下向きなのだからほぼ間違いない。


すー……。
細い寝息が聞こえた。
冷たい冬の風が吹いているなかで眠る越前。綺麗な寝顔を見せすっかり熟睡しているようだ。
風邪引くぞ、と冷静に突っ込んでみたものの、こんなにも熟睡しているのを起こすのはなんだか気が引ける。
だが自分と越前…というか、一年全員に課せられた仕事をこなさなくてはいけないという使命感に負け、俺は仕方なく越前を激しく揺すった。


「おい、起きろ越前。風邪引くぞ。 つーか働けお前も」


あまり大きな声を出すと、先輩達に越前がサボっていたことがバレてしまう。
早く仕事を終わらせ次の仕事に取り掛かるには、その説教時間をも惜しい。
明日までにやらなくてはならないことが、まだたくさんあるのだ。


「ん……あれ、寝てた」
「あれ、じゃねえよ。まだまだ仕事あんだぞ!はやく起きて手伝え!」

いつも通りクールではあるが、まだ寝ぼけているようだ。
それほどまでに深い眠りについていたのかこいつ。


「……仕事って、あと何があんの。 つか俺らって何やんなきゃいけないんだっけ」

そして仕事を忘れてやがる。


「飾りの材料はさっきカチローたちが買ってきたから、部室の掃除と部屋飾りの作成、食べ物の買出し。
 あと先輩達が見ても恥ずかしくないように、テニスコートの掃除と整備も俺たちの仕事だぜ!」

声に出して言ってみたところ、まだまだ残された仕事が大量にあることが再度確認された。
青学テニス部の人数は少なくはないものの、何だか日が暮れそうな気もする。
何しろ、頼りになる三年生はいないのだから。


「……二年生は何してんの」
「買出し以外は二年生がやってくれてるよ。あとクリスマスツリーの準備」

ちなみにクリスマスツリーの提供は、氷帝学園。
大きいのと小さいの、どちらがいいかと聞かれたらしく、日本昔話の要領で小さいのを選んだらしい。
その小さいツリーも、その辺の家にあったら二度見するほどの大きさだった。


「…ふーん。 で、俺何したらいいの」
「俺と買出し行こうぜ! 買うもののメモも貰ってる!」
「……あ、そ。 その辺のスーパー? それとも商店街?」
「買うものいろいろあるし、商店街だろ」
「ふーん」

段々目が覚めてきたらしい越前は、割と楽に立ち上がった。
と思うと、何ボサっとしてんの、とでも言いたそうな顔をして俺の顔を見る。

「何座ってんの、急いでるんでしょ」

お前のせいだっての!




続。