BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- #【西條×日向】 マッカナポスト小説大会金賞記念 ( No.207 )
- 日時: 2012/01/14 19:34
- 名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: ThpyAL8R)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=25559
堀リョは放置する。
ポスちゃん金賞おめっと小説!
遅くなってごめんよポス! 本当は発表4時間後に知ってたんだ!
…いっそのこと、この小説を元にしてオリBL書こうかな。
日向と西條の出会い。
本編にも載せようかな…加工してBLじゃなくして。
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西條は焦っていた。
校舎裏の、日の当たらぬ涼しい裏庭。
そこにそびえ立つ木の下で、西條は一人の真剣な表情の女子生徒の対処に困っていた。
「——ごめん、僕、彼女は…」
「やっぱり、私なんかじゃ…西條くんには釣りあわないよね…」
「え、いや、そんなわけじゃ……」
「じゃあ何で!? それじゃあ何で断るの!?」
入学後、早くも一週間を過ぎようとしていたこの日の現在。
西條はこの手の話が、入学からこれで七件に達していた。
今まで西條に胸の内の想いを伝えた女子生徒は数知れないが、そんな彼女らには二つのパターンが存在する。
一つは、断られたらそそくさとすぐに去っていく者。
もう一つは、断られても決定的な何かがない限りは引き下がらない者。
現在西條の目の前にいる女子生徒は、その後者に類していた。
今は彼女のいない西條。
というか、今まで付き合ったことのある人物がいない西條。
残念ながら熱中していることも特にない。
そんな彼にとって後者の人種は非常に迷惑で、決定的な理由がない彼には女子生徒のアプローチから何とか逃れるだけでも困難なのであった。
早く帰れよ………。
内心乱暴なことを思っていても、西條は顔には一切出さず苦笑いを続けていた。
その西條の態度に調子付いた女子生徒は、更に西條を追い詰めていく。
西條の本音は、もう限界であった。
ドサッ
そんなとき、後方から音が聞こえた。
「あ……」
後ろを振り返ると、えらい美少女が転んでいた。
否、転んで起き上がろうとしていた。
チャンスである。西條は本能的にそう悟った。
「大丈夫? ……日向さん」
西條は、その美少女(上下学校指定ジャージ、学年色の青を着用)の名札を見て、咄嗟に名前を口に出す。
そして美少女に手を差し出して起きあがせる。
「え…。…………あ、うん。ありがとう、西條くん」
一方、転んだほうの美少女も西條(制服着用)の名札を見て名を言った。
その後、彼女が持ってきていたらしきゴミ箱に、散らばっているゴミを集めて再び箱へ入れてあげた。
西條竜夜という男の紳士さが垣間見える。
美男美女。釣りあっている。誰もがそう感じただろう。
先ほどまで告白を試みていた女子生徒は、後ろで呆然と立ち尽くしていた。
自分の美貌に自覚のある西條。
決定的なチャンスである。
そして、西條はそのチャンスを簡単に逃すような男ではない。
西條は茶髪の美少女に近付き、
「ごめん、僕の彼女のフリしてもらえる?」
そう耳打ちした。
青ジャの美少女は大きなモーションでゆっくりと頷く。
ちょうどゴミの片付けは終わっていた。
青ジャの彼女は先ほどの女生徒の元へ戻るよう促す。
ので、ちゃんともう一度断りに西條は戻った。 仕方なく。
「ごめん、僕彼女いるんだ。あそこの…」
「…あの子?」
「うん。 僕、彼女が大好き。だから、君とは付き合えない」
女子生徒は何も言わなかった。ので、西條は女子生徒を放置して踵を返し、青ジャの彼女のもとへ向かって歩を進めていった。
ふと、振り返ってみると。女子生徒はもういなかった。
助かった、と安心していた西條に、美少女は再び感謝を述べた。起き上がらせてくれたことや、ゴミを片付けてくれたことに。
綺麗な笑顔を浮かべて言う彼女に、西條は少しだけ心が揺れるのを感じる。
だが西條は、自分の軽率な行動に急に恥ずかしくなり、今度は謝罪した。
「ごめん、彼女のフリしてなんて…失礼だったね」
軽く頬を赤らめる西條。美少女は何も言わず、首を横に軽く振った。
そして、
「ごめん、ホントはつまづいたりとかしてないんだけど…困ってるみたいだったから、転んだフリしちゃった」
そう言ってはにかんだ。
中性的だがとても澄んでいて、どこか可愛らしい声だった。
心の内を見透かされていたことが分かった西條は、彼女の笑顔が天使に見えてしまった。
≪ それは恋のはじまり。 ≫
後日、部活の一員として登場した男子用の制服を着た彼女に出会ったときの衝撃は、察してあげてほしい。
『どうも、日向拓斗です!』
だが西條の脳裏には、あの時の青いジャージを着た日向の綺麗な茶髪が鮮明に刻みついていたという。
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ポスちゃん、金賞おめっと。
ごめんね、最初は黒田(この小説では未登場)が作文で入賞した、っていう設定の黒明小説か黒西小説の予定だったんだけど…。
ネタが浮かばなくて、携帯のメモ見てたらこんなネタ見つけて…。
からの竜拓。えへへ。
よかったら本編も見てね←
あんまりおめでとう小説っぽくないけど!おめでとうポスちゃん!