BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

#【ティキ×ラビ】(Dグレ) ( No.76 )
日時: 2011/03/29 18:50
名前: つんさど ◆GAcxLZeYnw (ID: lmEZUI7z)

「ティキー。起きろー」
「ん・・・おはよ、ラビ」
「おー。さっさと起きるさ」

≪サヨナラ≫


「いただきます」

俺の前にまるで当然とでも言うように座ったティキは、寝癖の付いた自分の髪を少し触る。
そしてマヌケな声を出して大きな欠伸をひとつした。
それから、いつも通り律儀に手を合わせてそう言う。

「ん。いただきます」

俺もティキのやり方に従い、律儀に手を合わせて言う。
目の前で俺が作った朝飯を、またも当然のように頬張るティキ。
それを見て、俺も飯を頬張った。
ティキの顔は、少し満足そうな色に変わった。

——3年前・・・聖戦の真っ最中は、こんな生活が送れるなんて思ってもみなかった。
ノアのティキと、ブックマンの俺。
立つ位置が違いすぎた俺達に、このような形で幸せが訪れるなんて、当時は考えられなかった。


あの時・・・あの瞬間。
千年伯爵が消えたとき、ノアから『黒』の部分が消え去った。
黒の教団が、聖戦に勝利した。

その後、黒の教団は一時的に解散した。


————アレンは、ユウは、リナリーは・・・黒の教団にいた皆は・・・
・・・じじいは、今何やってんだろう。

俺は、聖戦が幕を閉じたあの日から、今まで持っていなかったもの__
__つまり、何事もない平和な日常を手に入れた。
変わりに、共に戦った仲間との別れを喫することとなった。

俺は今、ティキと一緒に暮らしてる。

本当はずっと好きだったんだ。
だけど気持ちを伝えることは、何があっても許されなかった。
あの時の俺の願い。
それは、ノアも含めて皆生き残って、聖戦が一刻も早く終わること。



「ラビ。食わないんなら食べちゃうよ?」


そんなティキの隣に、今は居られる。

「食ったら殴るから構わないさ」
「∑えっ!何それラビちょっと酷い!」


だから俺は、3年前の自分とサヨナラする。
ティキと一緒に生きていく。



(それが精一杯の今の俺の願いだから)