BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 「もう一度だけ」と貴方は言うけれど【オリジナルBL】 ( No.7 )
- 日時: 2011/01/08 22:42
- 名前: パナジウム(仮)@名前募集中なう ◆gkJKyRKQ9E (ID: 9L4Q1bFg)
いつしか、それは、綺麗な、思い出になる、
僕の、壊れた、携帯の、ように、
今は、鉄の塊と、感じる、その端末は、
いつか、とても綺麗な、思い出になる、
やっと、繋がった、その声は、言うのだ、
【ずっと待ってる】
電話から流れてきたのは、ノイズ混じりの優しい声。
嗚呼、なんで…今更、と。自問自答を繰り返す。
「…悠、どうして?」
なんで自分に電話がかけられたのか。法律が成立した時、強引に国に変えさせられた携帯とアドレス、番号。
教えたくても、悠には教えられなかった。
だから、悠にはこの番号が知られるはずがない。
……諦めていた。もう、思い出になってしまったものだと。
自分の中にある悠への愛を必死に押し殺して、生きてきたのに。
「愛してるから、そんなの簡単だよ」
…なぜ、そんな簡単に愛してるなんて言うんだろう。
朝、さんざん泣いたせいだ。だから今日は涙腺が緩みに緩んでいる。
目尻に溜まってしまう涙を拭うのはきっと、そのせい。
「……悠、会いたい。今、何処?」
悠には見えない、そう知っていながらも笑みを作る。
いや、会えると決まったわけじゃないけど、今から笑顔の練習。久しぶりに会うんだ、だから笑顔でいたい。
「璃玖が昔住んでたアパートの近くに、部屋借りた。今、アパート前に居る」
悠の話曰く、アパートの管理人に話したところ、引っ越したと言われて最初は絶望したらしい。
でも、管理人さんは僕らのこと応援してくれてたからか、新しいアドレスと番号を悠に教えてくれたらしい。
一部屋六畳の上、風呂は共同。しかも住民は個性が強くて、楽しかったけど、勉強に向いている環境ではなかった。しょっちゅう文句言って、喧嘩もしたけど、今はあそこに住んでて良かったって感じる。
「ねえ、りっくん。悠君なんでしょ?お兄ちゃん、どうなってるかきいてもらえる?」
「あ、うん」
雪ちゃんの瞳にも、一つの希望の光がさしていた。
確か、雪ちゃんのお兄さんである泉さんと悠は、同じところに飛ばされた。
悠が戻ってきているってことは、お兄さんが帰ってきていても不思議じゃなかった。
「ねえ、悠。雪ちゃんのお兄さんは?」
『ん、嗚呼…泉のことか。あいつもこっち戻ってきてる。ただし、俺が借りた部屋とは結構離れてる場所に住んでるよ』
多少の音漏れで、お兄さんがこっちに戻ってきていることを確認した雪ちゃんは、余ったケーキを無理矢理食べて、立てあがり帰る準備をし始める。
会いに行くのだろう。僕だってそうする。
「わかった。今アパートの前だよね。そっち急いで行く!」
『嗚呼、待ってるよ。ずっと、待ってる』
“待ってる”。
心の奥深くに響いた、昔と変わらない優しい声音、少し色っぽい発音、声から溢れ出す僕へ向けられた愛。
たった一言。でもそれに、きっと全てが詰め込まれていた。
電話があちらから切れ、無機質な音が聞こえてくる。
それをきいたと同時に、僕も雪ちゃん同様に準備をする。
「お金は私が払っとくから、りっくんは先行ってて」
「うん、ありがとう!」
急いで店を出た。
先程まで迷惑なほど晴れていた空は曇り、いつしか雨が降り注いでいた。
それも、かなりの大雨。
滑って上手く走れない。でも、早く悠に会いたいという気持ちが僕を焦らせた。
案の定、濡れて滑りやすくなったマンホールの上で転ぶ。
痛覚なんて、雨の冷たさと気温の寒さに、感じなくなっていた。
走る、走る、走る、走る。
途中で道を曲がる。こっちの方が近道だからだ。高校生くらいの子たちが行き来するファッション街を抜ける。
信号なんて待ってられなくて、信号が赤のまま道路を渡る。
—————————ネオンの光なんて、安っぽいものじゃないような大きい光。
—————————近くに雷が落ちたとでも感じる、大きな音。
【ずっと待ってる】
(お前を待たせた分)
(悲しませた分)
(いっぱい待つから)
(ちゃんと俺のとこへ)
(腕の中へ)
(飛び込んできて)
二話終
(/一回データ消えました(笑)
一応、最後に何が合ったかっていうのは次に明かそうかと;; 多分、皆様の壮大な妄想りょk……想像力ならすぐに分かってしまうでしょう。
ネオン云々は一話目の一番最初とかけてみる。今後もこれができるといいなぁ(笑)
BGM Ch/ro/e(li/ly)、上か/ら目/線(巡/音ル/カ)、マス/ターオブパ/ペッツ(初/音ミ/ク、巡/音ル/カ)
前回 ロー/リンガー/ル(初/音ミ/ク)
なんというボカロ厨なんだ俺wwwww