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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【献立から理解する君との関係】 ( No.1 )
- 日時: 2011/01/14 18:35
- 名前: あゆ ◆x/5HQXA.iA (ID: 2bESk3K2)
「とーおー」
良く聞き慣れた幼なじみの声に首を巡らせたら、細長い指が俺の頬に突き立てられていた。実際にはそんな物騒なもんじゃないけど、冬の外気で冷たくなった白い指は今の俺にとってほぼ凶器だ。すごく冷たい。
俺の相棒—フェリクスは、指を放すとにんまりと笑った。透き通った緑の瞳が細められ、赤い唇の端が形良く上に上がる。
「あっはは、騙された! その顔マジウケるしー」
「んもー……フェリクス、何してんの」
取りあえず声を出して叱ると、フェリクスは唇を突き出してぷうっと頬を膨らませた。かなり難しいことをやってのけている。
中性的な外見と相まって、フェリクスは女の子の様に見えた。
「だってだって、トー本ばっかり読んでるし。少しはかまっても良いんじゃね?」
「はいはい。じゃあフェリクス、今日のご飯は何が良い?」
「パルシュキ!」
俺が今日の気分を聞いた所、フェリクスは態度を一変させてにっこおと笑った。つくづく喜怒哀楽が激しくて、しかもはっきり顔に出るなぁと思う。
手に持っていたピンクの熊を放り出し、部屋の中でくるくると回りだす。すごく嬉しそうなその様子に、俺まで笑ってしまった。
「楽しみだし〜! トーの作るパルシュキ、マジ美味しいし!」
「あーはいはい」
つくづく俺がフェリクスに甘い理由は、この笑顔が見られるからかも知れない。
(それが掴んだ君との心理)
* 献立から理解する君との関係
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