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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: タイトル未定【BL】 ( No.12 )
- 日時: 2011/02/18 21:36
- 名前: 雲雀 (ID: MLajaLHR)
第3章
「______というわけで、学年末テストが近いから、家でしっかり勉強しておくように」
この時期になると、「勉強」という言葉が耳障りだ。
唯は眠い目を微かに開きながら、青い空を眺めていた。
ここは窓際だから、居眠りをしてもばれない。
だからと言って、目の前で堂々と眠りこけている祐稀もどうかと思うが。
「じゃあ、これでHRを終了にします」
ガタガタと、あちこちから席を立つ音が聞こえる。
恐らくは、部活動に向かうのだろう。
唯の目の前にいる人物は、微動だにしなかったが。
そこで唯は悩んでいた。
起こすべきか、起こさないべきかを______。
◇
「しかし、綺麗な顔してるな……」
教室からは先程の騒がしさは消え失せ、静寂だけがその場を支配していた。
祐稀の前の席に腰をおろしながら、マジマジとその秀麗な顔立ちを見つめる。
どうすれば、こんなに浮世離れした美形が生まれるものか……。
「______錦織には悪趣味と言ったが……人の寝顔を勧賞するのも悪くはないな……」
クスリと口元に笑顔を浮かべて、手を伸ばす。
______唯の指先が触れたのは、陽の光を浴びて輝く銀色の髪。
髪を上から下へ梳けば、柔らかい感触が指先を伝って全身に届く。
「…………//」
何故か無償に恥ずかしくなり、唯はパッと髪から指を離した。
ほんの少しの寂しさと、祐稀のぬくもりだけがその場に残る。
「……何してるんだろう、俺……」
馬鹿馬鹿しい。と小さく呟き、少し強引に自分のサブバを肩にかけながら、教室を去ろうとする。
次の瞬間、唯の手首が後方へと引き寄せられた。
「わっ……」
準備態勢も何もとっていなかった唯は、後ろに倒れかける。
腰に腕が回され、トンッと何かにぶつかる音がした。
「ゆ……ぅき……」
少し不機嫌そうな顔をした祐稀の顔が、上から唯のことを覗きこんでいた。
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