BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【オリキャラ】がらくた集め、【募集するよ!】 ( No.213 )
日時: 2012/04/20 23:19
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)

先生 指川 律子/サシカワ リツコ
生徒 北原 玲哉/キタハラ レイヤ
女生徒 春沢/ハルザワ

【ひみつ/創作/NL/生徒→→先生】








「———先生は、嫌いですか?」

 それはまるで、天使の皮を被った悪魔の笑みだった。








「指川せんせー!」

 バタバタと廊下を走りながら、わたしを呼び止める女生徒。春沢さん、だったっけ。
 彼女の名前を思い出そうと記憶を思い起こしながら、「廊下は走っちゃいけませんよ」とあくまでも優しい声色で注意する。
 「はあーい」と、にこにこと微笑みながら、降参とでもいうかのように両手の掌をこちらに向け、左右に振る。

「で、どうかしたんですか?」
「あっ、忘れてた!すいません、呼び止めたのは私なのに・・・」
「大丈夫ですよ」

 彼女がもう一度すいません、と呟いた。

「あ、それでですね!ちょっと、わからない所があって—————」







「指川先生、美人だよなあ」

 親友が、春沢とかいう隣のB組の生徒に問題の解き方を教えている指川先生の横顔を見ながら独り言のように呟いた。

「・・・あ、そう」
「反応薄・・・」

 反応が薄い?そんなわけ、ないだろう。無表情には慣れている俺としたことが、顔を顰めてしまいそうになった。
 ああ、俺はどうも、指川先生のことになると、嫉妬深くなるようだ。
 唯一、心を許している親友の瞳にすらも、貴女の姿を見せたくない。
 嫉妬、してしまう。









 がらがら、と、音をたてて図書室のスライド式のドアが動く。
 
「・・・あれ、北原君・・・?」
「・・・ああ、指川先生。・・・今日、当番なんです」
「北原君は確か、図書委員長でしたよね」
「え、あ、・・・はい」

 まさか、知っているとは思わなかった。先生は、てっきり俺のことを知らないとばかり思っていたから。
 その所為か、少々どもってしまった。・・・恥ずかしい。

「わたし、良く図書室に来るんです。本が好きなので。・・・でも、北原君と図書室で会うのは、初めてですね」
「そういえば、そうですね」

 確かに。どうして会わなかったのだろうか。いつも、図書室に居るのに。
 少し、というより大分疑問を持ちながら、首を傾げ「どうしてでしょうね」と小さく呟く。

「わたしが来るタイミングと、北原君が来るタイミングが、合わなかったんでしょうね、きっと」

 先生が笑んだ。その笑みは、まるで天使のようで。
 天使がいるのなら、悪魔がいないと。そうだ、俺が悪魔になってしまおう。
 無意識のうちに、口角が上がる。

「ねえ、先生?」
「はい、なんでしょうか」

 スライド式のドアへと歩み寄る。
 がちゃり。ドアの内鍵を閉める。

「・・・北原君?」

 ・・・この広い図書室の中には、先生と俺しかいない。幸いなことに、司書は出張だ。

「俺、先生のことが好きなんです」

 先生が目を見開いた。大きな瞳が、今にも零れ落ちそうで。
 くすり、笑ってしまった。

「からかって、いるんですか」
「まさか。・・・冗談で、生徒が先生に好きだなんて言うわけないじゃないですか」

 俺は、本気です。
 先生の手を取る。まるで、忠誠を誓うように、ちゅ、と手の甲に口付けた。
 貴女の為なら、俺はなんでもしてしまいそうだ。

「でも俺は、欲張りだから、嫉妬深いから。片思いで満足するような奴じゃないんです」
「北原、く・・・ッ!」

 ぎり。
 先生の手を、きつく握り締める。先生の顔が歪む。その表情も、綺麗なんですね。

「だから先生も、俺を好きになって下さい。それで、愛して下さい」

 ああ、先生の手に傷を付けてしまった。その傷を、自らがつけたのだと思うと愛しくて堪らない。
 その傷に口付ける。本当は、その傷口に舌を入れて先生の顔をもっと歪ませたいのだけど。
 流石に嫌われるのは辛いので、止めておく。
 その代わり、口を開く。

「俺は歪んでるんです。思考も、愛情表現も、・・・全てが」

 ゆっくりと、瞬きを一つ。

「そんな俺が、嫌いですか?」








          —————先生は、嫌いですか?






 (それはどこか悲しげな、) (天使の笑みだった。)

     【Fin.】

 ちょっと意味がわからない。

 気が向いたら修正するかもしれない。
 そして続きを書くかもしれない。





 ここまで読んでくださって、ありがとうございました!