BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【黒バス/氷紫】がらくた集め、【うpしました!】 ( No.289 )
日時: 2012/09/27 20:42
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)


【心臓は盲目/BL/版権/黒バス/赤紫/微妙に氷紫】







 紫原敦の心臓は、赤司征十郎だった。
 いつだって紫の呼吸をする理由は赤で、勝ち続ける理由も赤だった。
 いつだって隣に居たはずの赤。
 いつの間にか、離れていた。

 赤司征十郎の心臓は、紫原敦だった。
 いつだって赤の生きて行く理由は紫で、頂点に立つ理由も紫だった。
 いつだって隣に居たはずの紫。
 いつの間にか、離れていった。

「ずっと一緒に居よう?」
「赤ちんが望むなら」

 紫は確かに言ったのだ。
 確かにそう、言った。

 それなのに、紫は赤から離れてしまった。

 いつだって紫の隣で笑っていたのは、赤だった。
 いつの間にか、紫の隣で笑っていたのは氷室辰也だった。
 紺は微笑む。
 紫も笑った。

 赤の口角は、動かない。









「—————敦、」

 一度名前を呼べば、紫は振り向いてくれたのだ。

「敦、敦敦、あつしアツシ敦アツシ敦あつし」

 それなのに、今では何度呼んでも紫はなにも喋らない。
 赤の名前を呼ばない。
 振り向いてすらくれない。

 赤が瞬きをした。

 赤の視界に、紫は居なかった。
 あるのは見慣れたコートだけで、視線を巡らせても紫色は見当たらなかった。

「—————あつ、し」

 赤の瞳から、きらりと光る水滴が零れた。
 赤は気付かない。
 赤の視界が滲む。
 それでも赤は、気付かない。

 赤は、泣いていた。
 赤が記憶する中では、これが初めてだった。

「敦、あつし?どこ、どこ?」

 赤の瞳はまるで機能していなかった。
 現実を映すはずの瞳は紫の幻すら見えさせ、涙すらも感じさせない。
 赤のオッドアイは、光を失くしていた。

 熱が瞳から広がり、やがてその熱は脳すらも侵していく。

「あつし」

 紫が振り向いてくれるという淡い期待。
 それでも紫はここにはいないという現実。
 脳は気付いているはずなのに、気付かないふりをする。

 そうして赤はだんだんと、狂っていく。

 赤の脳は紫色。
 紺の脳は紫色。
 紫の脳は_色。

 赤は__。
 紺は笑う。
 紫は笑う。

 赤は塗り潰された。
 紺は______。
 紫はそこにあった。






          そして、赤色の心臓は盲目だった。






 (気付いてたさ、) (ここに君がいないこと)

     【Fin.】

 ふいんき(なぜか変換できない)だけで特に意味はないです。

 赤紫の少なさに全私が泣いた。
 みんな書こうぜ・・・?

 あっ全然関係ないんですけど色相環って素敵ですよね。
 赤と青に紫が挟まれてるんですよ?
 やだ美術楽しいっいいいっいいいっ!
 次は青紫書こうかな・・・。






 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!