BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【参照3000超え】がらくた集め、【ありがとうございます!】 ( No.294 )
日時: 2012/11/23 21:05
名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)


 高尾誕生日おめでとう!ございました!
 高緑書こうかなって思ったんですが私高緑を書くのがどうやら苦手な様なのでやめました。
 ごめんね高尾。
 高尾は秀徳の人達と一緒に笑ってて欲しいなあ。

 だがしかしこの小説は高尾の誕生日に全然関係ないんだぜてへぺろ。

※暗いのでちゅうい。

【繰り返される警告音/版権/黒バス/女体化/赤紫♀/赤司が病んでる】









「たすけて、あつこ」

 そうあたしに縋る赤ちんは、あたしの知ってる赤ちんじゃなかった。

「あ、かちん・・・?」

 赤ちんは体育館の床に膝をついて、あたしの腕に縋りついて、・・・いつもの赤ちんなら、情けないって言うんだろうな。
 ねえ、赤ちん。ほんとに、どうしちゃったの?

「おれは、おれは、どうすれば、どうすれば」

 壊れたロボットみたいに何度も同じことを言う赤ちん。赤ちんって、ロボットだったの?違うでしょ、じゃあなんでそんな。

「みんな、いない、みんな、みんな、」
「赤ちん?・・・っ赤ちん!ねえ赤ちんってば!ねえ!」

 赤ちんの両肩を手で掴んでゆさゆさと乱暴に揺さぶる。
 どうしたの?赤ちん、ねえ、怖いよ。

「赤ちん、赤ちん!」

 何度赤ちんの名前を叫んだって、赤ちんはあたしの声なんて聞こえてないみたいで何度も同じことを繰り返して言う。
 壊れちゃったの?赤ちん、赤ちんはロボットじゃないんでしょ?ちゃんと生きてるんでしょ?
 ほら、だって赤ちんはこんなにも温かい。

「あかち、・・・ッ!」
「敦子」

 赤ちんがぐっとあたしの両手首を掴んだ。ぎりぎりと力が強まっていく。痛い、痛いよ赤ちん。

「敦子」

 赤ちんが、あたしの名前を呼ぶ。赤ちんの赤色の瞳とあたしの紫色の瞳が合う。その赤色に吸い込まれてるみたいで、逸らせない。

「敦子」

 また、呼ばれる。どうしてそんなに繰り返すの?あたしの声、どうして聞こえないの?やめてよ、赤ちん。手、痛いよ。離してよ。
 どんどん浮き上がってくる疑問は赤色に吸い込まれて、残った疑問は手首の痛みに掻き消される。

「敦子」

 あたし、赤ちんに名前呼ばれるの好きだよ。でも、でも。そんな冷たい声で呼ばないで。赤ちん、赤ちんじゃないみたいだよ。怖いよ。

 感情がないみたいな、ロボットみたいな声で赤ちんは言う。


「おまえは、おれからはなれないよな・・・?」


 怖くて怖くて怖くて怖くて、あたしは逃げた。









 あの日から、あたしは学校に行っていない。
 赤ちんのあの瞳が忘れられないからだ。学校に行けば、またあの瞳に吸い込まれていくような気がして。
 ずっとあたしは家に閉じこもっている。玄関の扉を開けば、そこに赤ちんがいる気がした。瞳を瞑ればあの瞳が浮かんでくる。どうしてそんなにあたしを苦しめるの。ねえ。

 ああ、お腹減ったなあ。

 ぐう、とお腹が鳴った。なにか食べるもの、とキッチンの冷蔵庫を目指して歩いていると、


   ピンポーン


 インターホンが、鳴った。
 え、だれ、だれ、だれ、だれ?
 足が止まる。怖い。足が一歩も、動かない。二階の自分の部屋に、戻らなきゃ。動け、動け、動け。あたしの足、動いてよ。
 ピンポーン、また鳴る。ピンポーン、また鳴る。繰り返されるインターホンの音に、あの日のことを思い出す。ロボットみたいな、あの。


   がちゃ、がちゃがちゃがちゃ


 ドアノブが乱暴に回される音がした。汗が、頬を伝った。


   かちゃり


 あ。


   がちゃん







「敦子」










          またあなたは繰り返すの?






 (こんな無限ループ、) (誰も望んでないのに)

     【Fin.】

 今日は暗い話が書きたかった気分だったんです。

 病んでる赤司くんとか、情緒不安定な赤司くんとかが好きです。
 それを受け止める包容力のあるむっくんもそれを拒否るむっくんも好きです。
 というか最近黒バス書き過ぎてますね。こんなにハマったジャンルは初めてかもしれないです。
 むっくんがフェアリー過ぎてどうすればいいのか・・・。





 ここまで読んでくださり、ありがとうございました!