BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【参照3000超え】がらくた集め、【ありがとうございます!】 ( No.295 )
- 日時: 2012/12/14 22:48
- 名前: ぜんく ◆yQu0uV02tI (ID: RiKQWiSC)
あかむらをふたつ。
【赤は怯えた/版権/BL/赤紫】
<赤紫/赤司が病んでる>
人は言う。暗闇が怖いのだと。それはつまり、黒が怖いということだ。
でも僕は、白が怖いのだ。
黒は塗り潰して、隠してくれる。僕の全てを、僕の赤を、綺麗な赤も醜い赤も全て塗り潰して無かったことにしてくれる。黒と僕の赤を混ぜても、結局のところ黒は黒なのだ。
それでも白は、隠してくれない。白い空間にぽっかりと僕の赤が在るのだ。綺麗な赤も醜い赤も隠してはくれない。全てはっきりとわかるのだ。白と僕の赤を混ぜても、結局のところ桃色になって白でも僕の赤でもないのだ。
そして僕は、黒も怖いのだ。
白はそこに僕という赤を示してくれる。存在を許してくれる。僕という赤がそこにいて、存在していて、ヒトであることを教えてくれる。
それでも黒は、僕という赤の存在を許してくれはしない。僕という赤を塗り潰して、隠して、僕という存在を消してしまう。
それなら僕は、どうすればいいのだ。
そう悩んでいたとき、敦子が現れた。敦子の紫は、僕の醜い赤すらも隠し愛すると言った。僕という赤の存在を敦子の紫の真ん中に在ることも許してくれた。
僕は、敦子を愛することにした。
(赤には無いのだ) (愛する以外の選択肢が)
<赤紫♀/甘め?>
ある日あたしは、ずっと気になっていたことを赤ちんに聞いた。
「赤ちんってなんであたしのこと好きなの?」
「・・・は、」
あたしがストロベリー味のキャンディーを噛み砕くのと赤ちんが吐息に似た声を発したのは同時だった。あれ、どうしてそんなに驚いてるんだろ。
「だって、あたしって色々でかいし、女の子っぽくないし、・・・だから、なんで好きなのかなって」
「・・・敦子」
あたしはでかい。身長だって、女子の平均身長より二、三十センチくらいでかい。まあ、その分胸もでかくなったのはいいんだけどさ。ああ、あと、あたしは言動、行動が女の子らしくない。化粧なんてしないし、峰ちんとかと一緒にバスケしたりするし、ずっとお菓子食べてるし、着替えるとき近くに男子がいても気にしないし。
そんなあたしを、完璧な赤ちんがなんで好きになったのか気になった。だって普通、釣り合わないでしょ?
「敦子、俺はおまえが思っているよりずっとおまえのことが好きだ」
「ぅ、え?」
突然の二度目の告白に、つい変な声が出た。
「俺は、無意識の内におまえのことを目で追っていた。それに気付いた時、俺はおまえのことが好きなのだと気付いた。そしておまえのかわいらしいところに気付いた。まあ、俺という恋人がいるのに他の男の前で堂々と着替えるところはどうかと思うが、・・・敦子、もう一度言うぞ」
「う、うん・・・?」
すらすらとまるで台本でも読むみたいに赤ちんは一度にたくさんのことを言った。最後に一息ついて、赤ちんはあたしの瞳をじっと見つめながら言った。そんなに見つめられたら、あたしでも照れちゃうよ。ねえ。
「俺はおまえが思っているよりずっとおまえのことが好きだ」
するり、赤ちんの冷たくてごつごつとした意外にもあたしより大きな手があたしの赤くなった頬を撫でた。赤ちんは「ほら、頬が紅潮している。随分と女らしいじゃないか」と言って笑った。
(あんなこと、) (聞かなきゃ良かった!)
【Fin.】
お久し振りです、ぜんくです。
そういえば、十二月九日は氷紫の日でしたね!
なにか書こうと思ったんですが、どうも時間がなくて・・・。
結局赤紫に落ち着くという。
赤紫が一番書きやすいです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!